子どもの病気
麻しん(はしか)・風しん
麻しん・風しんとは
麻しん(はしか)は麻しんウイルスへの感染によって引き起こされる病気で、かぜ症状と高熱、体に発疹が出ることが特徴の病気です。感染してから10日程度の潜伏期間を経てから症状が現れます。
一方で風しんは風しんウイルスへの感染によって引き起こされます。麻しんと類似した症状が見られますが、麻しんに比べて症状の現れる期間が短く「三日ばしか」とも呼ばれます。
麻しん・風しんともに感染力が非常に強く、症状が現れた場合、一定期間出席停止となる病気です。
麻しんの症状
麻しんは感染してからの期間によって症状が変わります。
・潜伏期(感染~10日程度)
症状は見られませんが、体内のウイルスを周りの人に移してしまうこともあります。
・カタル期(感染後10日~12、13日程度)
咳やくしゃみなどのかぜ症状
38℃程度の発熱
・発疹期
発疹(全身)
39℃以上の高熱
そのほか、免疫力が下がるために他の感染症や中耳炎、肺炎などの合併症を起こす場合もあります。
麻しんの原因
麻しんウイルスへの感染が原因で、空気感染や飛沫感染、接触感染の感染経路があります。感染力が非常に強いので、免疫を持っていない人が感染するとほとんどの人に症状が現れます。
風しんの症状
・潜伏期(感染~2、3週間程度)
症状は見られませんが、体内のウイルスを周りの人に移してしまうこともあります。
・発症(3~5日間程度)
発熱
淡黄色の発疹(顔から全身へ)
関節痛
子どもよりも大人で発症した場合に症状の重症化、長期化しやすい傾向があるのも特徴です。場合によっては、脳炎や血小板減少性紫斑病などの命の危険を脅かす合併症を引き起こすこともあります。
風しんの原因
風しんウイルスへの感染が原因です。ウイルスへの免疫がない人は症状がほぼ現れます。飛沫感染や接触感染が主な感染経路となります。基本的に空気感染はしません。
麻しん・風しんの治療について
いわゆる特効薬のような治療法はありません。発熱や関節痛などの症状を和らげる対症療法を行うことが基本的な治療になります。ウイルスが原因のため抗菌薬も効果がなく、ウイルスが体の外に出ていくまで体力を落とさないように栄養のあるものを口にするようにしましょう。
一番の治療法
一番の治療法は、麻しん風しんワクチン(MRワクチン)を接種することが有効です。一度かかると免疫がつくられ、二度とかかることがないと言われているため、ウイルスを弱毒化したワクチンで抗体を作って備えることが大切です。
また、妊娠初期に麻しん、風しんにかかると胎児に感染して、心臓や眼、耳などに合併症をもたらすことがあります。妊娠中は予防接種を行うことはできませんので、一度ご自身が予防接種を打っているか、または麻しんや風しんにかかったことがあるかを調べておくことをお勧めします。