子どもの病気

ウイルス性胃腸炎

ウイルス性胃腸炎とは

様々なウイルスが原因となって、嘔吐や下痢の症状を引き起こす病気です。感染性胃腸炎や嘔吐下痢症とも呼ばれることがあります。

 

 

症状

ウイルス性胃腸炎の症状は、

・嘔吐、吐き気

・下痢

・白っぽい便が出る

・腹痛

他にも、

・全身倦怠感

・発熱

・頭痛

が見られます。ウイルスの種類にもよりますが、3日~7日続くことが多いようです。嘔吐や下痢が続くと、脱水症状を起こします。特に低年齢のお子様の場合、もともとの体内の水分量が多く、脱水を起こしやすくなります。

 

 

原因

原因となるウイルスには、ノロウイルスやアデノウイルス、ロタウイルス等があります。

主な感染経路は、おむつを替える際に便に触れた手で口や鼻等を触る糞口(経口)感染、感染した人がドアノブやスマートフォンを触った後に触れて口などを触る接触感染、くしゃみや咳などに含まれる細かい唾液などに含まれるウイルスを吸い込む飛沫感染です。

さらにノロウイルスは感染力が高く、嘔吐物や便が乾燥した後、空気中にウイルスが飛散して空気感染を引き起こすことがあります。

 

 

治療について

ウイルスが原因のため、抗菌薬は効きません。脱水症状を起こさないように少量ずつこまめに水分を摂取するようにしましょう。症状がひどくて水分や食事がとれない場合には、点滴や整腸剤などを使用して症状を和らげるように治療していきます。下痢はウイルスを体の外に出そうとする体の働きなので、下痢止めを多用することは控えてください。

 

嘔吐・下痢の症状のある時は、胃腸が弱っている状態のため無理に水分や食事をとろうとしても嘔吐や下痢を繰り返すことがあります。嘔吐をするとその時に摂取した以上に体の水分を出してしまいます。飲む⇒嘔吐を繰り返さないように、体に水分が浸透しやすい経口補水液などをスプーン1杯程度、10~15分おきに定期的に摂取するようにしましょう。

また食事は吐き気が治まってから、少量ずつ摂るようにしてください。お米や麦などの穀類は体を動かすエネルギーに変わりやすいので、体の疲れや倦怠感から回復する効果があります。

 

ロタウイルスについては、ワクチンによる予防が可能です。定期予防接種ではないため費用は自己負担にはなりますが、当院でも接種することができますので、まずはお電話または直接受付までご相談ください。

 

 

注意していただきたいこと

嘔吐した吐しゃ物や下痢にはウイルスが多く含まれており、衣類に付着すると二次感染を引き起こすことがあります。衣類や床、壁などをしっかりと消毒することが大切です。アルコールでふき取る等すれば安心と思われる方もいらっしゃいますが、塩素系漂白剤を薄めたものや次亜塩素水でしっかりとふき取るようにしましょう。