アレルギー性鼻炎
※図1…下甲介が青白く腫脹し、水のような鼻水がでています。
アレルギー性鼻炎は季節性と通年性に分かれます。季節性とは花粉症がほとんどです。ここでは一年中症状がでる通年性アレルギー性鼻炎について説明します。花粉症については専門サイトをご覧ください。
(⇒環境省花粉観測システムはこちら)
通年性アレルギー性鼻炎とは文字通り一年中アレルギー性鼻炎があり、一年中、症状が出ても不思議ではありません。 その原因は家のホコリやダニのフンや死がいです。ペットのフケやカビも通年性アレルギー性鼻炎の原因となります。
日本人の約50%(2人に1人)がアレルギー性鼻炎です。日本人の約40%(2.5人に1人)が季節性アレルギー性鼻炎で、日本人の約25%(4人に1人)が通年性アレルギー性鼻炎です。 (悲しいですが、お一人で季節性と通年性アレルギー性鼻炎のどちらとも持たれているかたがいらっしゃるということです。)
自然治癒(ちゆ)(何も治療しなくて、アレルギー体質が体からなくなってしまうこと)は少なく、数%と言われています。 ですので、一度発症すると、ずっとアレルギー性鼻炎の症状に悩まされます。
そこで当院では、鼻アレルギー診療ガイドラインを基本として、
【1】患者様がどれくらい花粉症の症状に悩まされているか
【2】患者様それぞれのライフスタイルにあわせて
治療方針を考えていきます。アレルギー性鼻炎の症状を完全になくしてしまう事は難しい時もありますが、日常生活に支障がない状態に近づけるように治療を行っていきます。
通年性アレルギー性鼻炎の症状
1. くしゃみ
2. 鼻みず
3. 鼻づまり
一日のうちで症状が最も出やすいのは朝方です。人間の自律神経の問題もありますし、朝方が一日のうちで最も寒く症状が出やすく、一晩分の鼻水が鼻腔内にあるからだと思います。 また、ホコリなどは人間が行動していない夜は床にたくさん落ちています(人間が行動しているときは空間に舞っています)。
寝るときは、ほこりなどがたくさん落ちている床の近くに鼻がありますので症状が出やすいとも考えられています。 言い方を変えますと、アレルギー性鼻炎の治療をしても、最後まで症状が残りやすい時間帯は朝方ということです。
何に対するアレルギー?
血液検査させていただき特異的(とくいてき)IgE抗体(こうたい)を測定することで、何に対するアレルギーかを知ることができる時があります。 検査の項目数(アレルギー抗原(こうげん)の種類数)で費用が異なりますので、当院を受診された時にご相談ください。3割負担の方で約2,000円から5,000円です。
何に対するアレルギーかを知り、あらかじめ対応しておくと、アレルギー性鼻炎の症状が軽くなります。
1.日常生活のポイント
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【アレルギーの元にさらされることを出来るだけさける】
ダニの糞や死骸、家のホコリ、ペットのフケ、カビなど -
【室内ダニの除去】
1. 掃除機がけは、吸引部をゆっくりと動かし、1畳当たり30秒以上の時間をかけ、週2回以上行う。
2. 布張りのソファー、カーペット、畳はできるだけやめる。
3. ベットのマット、ふとん、枕にダニを通さないカバーをかける。
4. ふとんは週に2回以上干す。困難な時は室内干しやふとん乾燥機で、ふとんの湿気を減らす。週に1回以上、掃除機をかける。
5. 部屋の湿度を50%、室温を20~25℃に保つように努力する。
6. フローリングなどのホコリのたちやすい場所は、拭き掃除の後に掃除機をかける。
7. シーツ、ふとんカバーは週に1回以上洗濯する。 -
【アレルギー性鼻炎の方は風邪をひかないように】
アレルギー性鼻炎がある方とそうでない方が、同じ鼻風邪(急性鼻炎)をひくと、アレルギー性鼻炎がある人の方が長引きます。急性鼻炎とアレルギー性鼻炎という2つの病気があるからです。 また急性鼻炎から急性副鼻腔炎になる可能性が高いです。風邪を引かないような体調管理がより必要です。アレルギー性鼻炎がある方は、風邪をひいたときは、耳鼻咽喉科を受診した方がよいでしょう。
2.薬物療法
抗アレルギー薬の飲み薬や鼻のスプレーで症状を抑えていきます。アレルギー性鼻炎でも症状に波があります。 季節の変わり目や冬場は悪くなりやすいです。 その時は、遠慮なく院長にお申し付けください。 薬を追加したり変更したりします。 もちろん「アレルギーの元にさらされることを出来るだけさける!」努力も頑張りましょう。
妊婦中の方や授乳中の方は治療に注意すべき点がありますので、ご相談ください。
アレルギー性鼻炎は体質的な病気であるため、飲み薬や鼻のスプレーも症状を抑える薬となってしまいます。 お薬を使っている間は、症状が抑えられるが、お薬が切れるとまた症状に悩まされてしまいます。 そうなると、「ずっとお薬を使い続けなくてはならないのか?」という疑問がわいてきます。 アレルギー性鼻炎でも症状に波があります。夏場などは症状が出にくいです。 アレルギー性鼻炎で使うお薬は長期に使っても、ほとんど副作用は気にされなくても大丈夫なのですが、当院ではお薬の減らし方の指導も行っていますのでご相談下さい。
3.下甲介粘膜レーザー焼灼術(レーザー治療)
花粉症、アレルギー性鼻炎の外科的な治療方法として主流となっている鼻の粘膜を焼灼(しょうしゃく)する(薄くこがす)方法です。
1回あたりのレーザー治療は、病院に入ってから出るまで約45分程度(手術自体は約15分)の外来での治療です。
当院のレーザー治療の特徴
1)当院では内視鏡を一緒に用いて(鼻の中を極細のカメラで確認しながら)行いますので、より確実に行えます。
2)治療前の痛み止めは薬液をつけたガーゼを鼻の中に入れるだけです。注射は一切ございません。
3)治療中、治療後の痛みはほとんどございません。
4)治療中、治療後の出血もほとんどございません。
5)治療後は鼻の中には何も入れずに、すぐ帰宅できます。
6)治療後は1~2回の通院でほぼ完了します。
当院ではこのような方にレーザー治療を勧めています。
1)アレルギー性鼻炎の薬が効きにくい方
2)鼻づまりが強い方
3)薬で眠気が起こりやすい方
4)薬の量を減らしたい方
5)受診回数を減らしたい方(受験生やサラリーマンの方など)
6)妊娠を考えられている方、授乳中の方
レーザー治療で留意していただきたい点
●レーザー治療といえども症状を抑える対症療法の一つであり、スギやヒノキなどに対するアレルギー体質が体からなくなってしまうということではありません。
ただし、全く薬なしで満足して頂ける人や、薬の量や期間を減らす事が可能だったりと、患者様の重症度や個人差にもよりますが、症状の改善を期待できます。
●このレーザー治療は保険が適用できますので、3割負担の方で費用は、両鼻合わせて約9,000円程度になります。
※2~4月は花粉症の季節のため、くさの耳鼻咽喉科ではレーザー治療をしておりませんのでご了承ください。
花粉症の症状があるときにレーザー治療を行っても効果は低い上に、レーザー治療をすることによって鼻の症状がさらに悪くなることがあり、患者様のためになりません。
当院ではレーザー治療が有効かを通常の診療時間内の診察で判断させていただいた後に、レーザー治療日を完全予約制で決めております。 また、花粉症シーズン前などの時期は、ご予約が大変取りにくい場合もございますので、お早めにご相談ください。
みみ・はな・のどの
主な病気について
みみ・はな・のどの主な病気と症状・治療方法についてご説明致します。
こちらに記載されていない病気もありますので、気になる症状のある場合はお気軽にご相談ください。
※以下に記載しております耳鼻咽喉科の代表的な疾患名を、Yahoo!、Googleで検索すると当院ホームページが上位に表示されます。どうぞご覧になり、今後の治療にお役立てください。
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