子どもの病気・症状
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
おたふくかぜとは
「おたふくかぜ」はムンプスウイルスによる感染症で、耳の下にある唾液腺(耳下腺)が腫れて痛くなることが特徴です。片側の耳下腺の腫れから始まり、もう片側に広がることもあります。腫れに伴い、発熱や、食べ物を噛むときの痛みを生じます。
主な症状
- 耳の下(耳下腺)が腫れて痛む(片側から始まり両側に及ぶこともあります)
- 発熱(38℃前後の発熱が多い)
- 食べ物をかむと耳下腺が痛む、飲み込みにくい
- 全身のだるさや頭痛など
※ 通常、発熱や痛みなどの症状は3~7日程度で自然に治まることが多いです。
周囲への感染
飛沫感染(咳やくしゃみによるウイルス飛散)や接触感染で他の人にうつります。発症の約2日前から耳下腺の腫れが引いた後数日間はウイルスを排出するとされ、この期間は周囲の人に感染する可能性があります。
合併症について
多くの場合おたふくかぜは軽症で済みますが、まれに以下のような合併症を引き起こすことがあります。
- 無菌性髄膜炎:高熱、頭痛、嘔吐などが起こります。ムンプスウイルスによる髄膜炎ですが、多くは軽症で自然に回復します。
- 精巣炎(思春期以降の男性):高熱と精巣(陰嚢)の腫れ・痛みが出ます。まれにですが将来の不妊の原因となることがあります。
- 卵巣炎:下腹部痛や発熱などが起こります(こちらも合併はまれです)。
- 難聴:片耳の感音性難聴(耳が聞こえにくくなる障害)を残すことがあります。難聴が生じた場合、完全に治らないケースもあります。
治療について
おたふくかぜに有効な抗ウイルス薬はありません。基本的には安静にして、水分補給をしながら、痛みや発熱に対する対症療法で回復を待ちます。具体的には、発熱や痛みが強いときはアセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬で和らげます。腫れて痛む部分は冷やしたタオルなどで冷やすと痛みが軽減します。
登園・登校について
おたふくかぜは学校保健安全法で第二種感染症に指定されており、法律により出席停止(登園・登校禁止)期間が定められています。耳下腺の腫れがあらわれてから5日が経過し、かつ全身状態が良好になるまでは園や学校に行くことができません(目安としては、発症から約1週間程度はお休みになります)。感染力が強いため、腫れが引いて元気になっても上記期間が経過するまでは集団生活を控えましょう。
予防接種について:
おたふくかぜはムンプスワクチン(おたふくかぜワクチン)で予防可能です。日本では定期接種ではありませんが、任意接種として、1歳になってから2回接種することが推奨されています。2回接種することで予防効果が高まり、万が一罹患した場合でも重症化(特に難聴や精巣炎など合併症)の予防に有効です。
まとめ
| 原因 | ムンプスウイルス(おたふくかぜのウイルス) |
|---|---|
| 主な症状 | 耳下腺(耳の下)の腫れ・痛み、発熱、咀嚼時の痛み、全身倦怠など |
| 周囲への感染 | 飛沫感染・接触感染で広がります。発症前から他人にうつす可能性があります。 |
| 治療 | 対症療法(安静、水分補給、痛み・熱に対する処置)。有効な特効薬はありません。 |
| 登園・登校基準 | 発症後5日経過し、かつ全身状態が良好になるまで出席停止(法律で定められています) |
| 予防接種 | 任意接種(生後1歳~)。2回接種が望ましく、発症予防および難聴・精巣炎など重症合併症予防に有効です。 |

