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母乳・ミルクの量が足りているか心配です。個別Q&A
体重が順調に増えているか(目安として生後3か月ごろまでは1日25〜30g程度)、おしっこが1日6回以上出ているか、が足りているかどうかの目安になります。授乳のあとに泣くかどうかだけでは判断できません。母子手帳の成長曲線に体重を記入して、カーブに沿って増えていることは一つの目安になります。飲みが悪い、尿が減るなどの変化もあわせて確認してください。ご心配な場合は健診を待たず、体重チェックだけでもお気軽にお越しください。
言葉が遅い気がします。相談したほうがいいですか?個別Q&A
言葉の発達には大きな個人差がありますが、目安として ①1歳半で意味のある単語が出ない、②2歳で二語文(ワンワン きた、など)が出ない、③呼んでも振り向かない・視線が合いにくい、といった場合は一度ご相談ください。先延ばしにするより、早めに相談して必要なサポートにつなげるほうがお子さんのためになります。
乳幼児健診では何を見てもらえますか?持ち物は?
身長・体重などの発育、運動や言葉の発達、栄養の状態、病気の早期発見などを総合的に確認し、育児の心配ごとのご相談もお受けします。持ち物は、母子健康手帳・健診票・マイナ保険証または資格確認書・子ども医療費受給者証・おむつや着替えです。
夜泣きがつらいです。何か対策はありますか?個別Q&A
夜泣きは多くの赤ちゃんが通る発達の一過程で、ご家庭の育て方のせいではありません。対策としては、①朝は決まった時間にカーテンを開けて朝の光を浴びる、②お昼寝は夕方までに切り上げる、③寝る前の流れ(入浴→授乳→部屋を暗くする)を毎日同じにする、など生活リズムを整えることが基本です。ご家族が疲れ切ってしまう前に、健診や診察の際にお気軽にご相談ください。
1歳を過ぎましたが、まだ歩きません。大丈夫でしょうか?個別Q&A
歩き始めには大きな個人差があり、1歳6か月ごろまでに歩き始めるお子さんが多いです。つかまり立ちや伝い歩きなど、発達が順番に進んでいれば、発達が進んでいる目安になります。ハイハイの期間が長い子、慎重な性格の子は歩き始めがゆっくりな傾向があります。目安として、1歳6か月を過ぎても歩かない、つかまり立ちをしない、左右の手足の動きに差がある場合は、一度ご相談ください。
スマホやテレビは、どのくらいまで見せていいですか?個別Q&A
厳密な基準はありませんが、2歳ごろまでは視聴時間をできるだけ短くし、見る場合は大人が一緒に内容を共有することが基本です。長時間の一方的な視聴は、言葉のやりとりや睡眠に影響することがあります。現実的なコツとして、①時間と場所のルールを決める(食事中と寝る前1時間は見ない、など)②見終わったら「おしまい」を習慣に、③大人自身の使い方もお手本になることを意識する、という工夫をおすすめします。完璧を目指さず、できる範囲で構いません。
小学生になってもおねしょが続いています。受診したほうがいいですか?個別Q&A
5歳以上で月1回以上のおねしょが3か月以上続く状態を「夜尿症」といいます。治療の必要性や方法は、頻度や生活への影響をみて相談します。決してしつけの問題や本人の怠けではなく、体の発達やホルモンのリズムが関係するもので、叱っても改善しません。生活の工夫(夕方以降の水分の調整、寝る前のトイレ、便秘の治療)に加え、お薬やアラーム療法という有効な治療があります。小学生になっても続くようであれば、恥ずかしいことではありませんので、一度ご相談ください。当院で治療に対応しています。
身長がクラスで一番小さいです。検査したほうがいいですか?
「小さい」こと自体より、成長曲線の伸び方が大切です。母子手帳や学校の記録を成長曲線のグラフにすると、①-2SDのライン(同年齢の下位約2%)を下回っている、②今までのカーブから下向きに外れてきている(伸びが鈍っている)、のどちらかがあれば、成長ホルモンの不足や甲状腺、骨や染色体の病気などが隠れていないか、検査をおすすめします。ご両親が小柄な家族性の低身長や、思春期が遅いタイプなど、心配のいらないことも多いのですが、治療が必要な病気を見逃さないため、成長の経過を確認することが大切です。これまでの身長・体重の記録をお持ちのうえ、ご相談ください。
子どもの体重が増えすぎな気がします。ダイエットさせるべきですか?
大人と同じ食事制限のダイエットは、成長期のお子さんには原則行いません。成長期は身長が伸びるため、「体重を減らす」のではなく「体重の増え方をゆるやかにして、身長が追いつくのを待つ」のが基本方針です。具体的には、甘い飲み物を水やお茶に替える・間食のルールを決める・体を動かす習慣・十分な睡眠、といった生活の調整を、ご家族みんなで無理なく行うことが成功のコツです。肥満の程度の評価と、生活習慣病のチェック(血液検査)が必要な場合もあります。当院ではお子さんの肥満に関する健康相談を行っていますので、お気軽にご相談ください。
指しゃぶり(爪噛み)がやめられません。やめさせるべきですか?
3歳ごろまでの指しゃぶりは、発達の自然な過程ですので、無理にやめさせる必要はありません。歯並びへの影響が心配になるのは、4〜5歳を過ぎても頻繁に続く場合です。やめさせるコツは、「叱る・無理に引き抜く」ではなく、①手持ちぶさたと眠いときに出やすいので、手を使う遊びに誘う、②できた日をカレンダーでほめる、③絵本(指しゃぶりをテーマにしたもの)を活用する、など本人の「やめたい気持ち」を育てる方法です。爪噛みも同様で、ストレスサインのこともあるため、叱るより背景に目を向けてあげてください。深爪や指の変形が強い場合はご相談ください。
おしゃぶりは、いつまでに卒業させればいいですか?
歯並び(開咬など)への影響を考えると、2歳ごろまでに卒業できると理想的で、遅くとも3歳までにはやめることをおすすめします。やめ方は、突然取り上げるより、①使う場面を「寝るときだけ」に限定していく、②昼間は見えない場所にしまう、③卒業の日を決めて「バイバイの儀式」をする、など段階的な方法が成功しやすいです。なお、乳児期のおしゃぶりには入眠の助けなどの利点もありますので、使うこと自体に罪悪感は不要です。哺乳への影響を避けるため、母乳育児が軌道に乗るまでは控えめにしてください。
歯磨きを泣いて嫌がります。仕上げ磨きは何歳まで必要ですか?
嫌がる時期には、①膝の上へ寝かせて1〜2分程度で素早く済ませる、②歌などを取り入れて楽しい雰囲気にする、③磨く順番を毎回同じにして見通しを持たせる、④終わったらしっかりほめる、といった工夫が役立ちます。強く嫌がる場合は力任せに押さえつけず、痛い場所や磨き方を歯科で相談してください。仕上げ磨きは、お子さんが自分で上手に磨けるようになる小学校中学年(9〜10歳)ごろまで続けるのが理想です。特に寝る前は、1回を丁寧に行ってください。フッ素入り歯磨き粉は歯が生えたら使用でき、年齢ごとの適量がありますので、健診時にご相談ください。
子どもの睡眠時間はどのくらい必要ですか?なかなか寝てくれません。
目安は、1〜2歳で11〜14時間、3〜5歳で10〜13時間、小学生で9〜12時間(昼寝含む)です。日本の子どもは世界的にみて睡眠不足傾向で、睡眠は、成長ホルモンの分泌や情緒・学習と深く関わっています。寝かしつけのコツは、①朝を固定する(朝日を浴びると夜眠くなるリズムが作られます。夜より朝から整えるのが近道です)②寝る前1時間はテレビ・スマホを消す、③入浴、絵本、消灯など、毎晩同じ流れを作ることです。おやすみ前の激しい遊びと、寝る直前の入浴は逆効果ですのでご注意ください。
偏食がひどく、野菜をまったく食べません。栄養が心配です。
まず安心していただきたいのは、幼児期の偏食はよくみられ、身長・体重が成長曲線に沿って伸びていれば、栄養面で大きな問題がないことが多いという点です。野菜に含まれる栄養の一部は、果物・芋・海苔などからも補えます。対応のコツは、①食べなくても食卓に出し続け、見慣れる機会を作ること、②無理強いや、ごほうびとの交換をしないこと、③調理や盛り付けを一緒に行うこと、④家族がおいしそうに食べる様子を見せることです。10回以上試してから食べられるようになることもあります。食べられる食品が極端に少ない、体重が増えない、食感や音への過敏が強い場合はご相談ください。
赤ちゃんがよく反り返り、抱きにくい気がします。問題があるのでしょうか?
反り返りだけで異常と決まるわけではありません。元気な赤ちゃんも、泣いたときや不快なとき、背中の筋肉が育つ時期にはよく反り返ります。機嫌のよい時間があり、あやすと笑い、首すわりなどの発達が進んでいれば、多くは心配いりません。一方、①いつも体が硬く、常に反っていて向き癖が極端、②縦抱きでも体がぐにゃっとやわらかすぎる、③追視や笑顔が出ない、④発達の遅れをともなう、といった場合は、筋肉の緊張のバランスを一度確認したほうがよいので、健診を待たずにご相談ください。動画があると診察の参考になります。
目つきや視力が心配です。何歳から検査できますか?受診の目安は?個別Q&A
視力の発達は6〜8歳ごろまでに完成するため、弱視(眼鏡をかけても視力が出ない状態)は、できるだけ早く見つけて治療を始めることが重要です。3歳児健診での屈折検査(カメラのような機器での検査)は必ず受けてください。受診をおすすめするサインは、①目が内側・外側にずれて見えるときがある、②テレビに極端に近づく・目を細める・首をかしげて見る、③片目を隠すと激しく嫌がる(隠された側しか見えていない可能性)④まぶしがる様子が強い場合です。気になる場合は年齢を問わず、眼科での精密検査をおすすめします。
娘の胸が早くもふくらんできた気がします。早すぎませんか?
思春期の始まりには個人差がありますが、女の子では7歳半より前の胸のふくらみ、男の子では9歳より前の精巣の発育や変声などがみられる場合、「思春期早発症」の可能性があります。思春期が早く始まりすぎると、一時的に身長が伸びた後、成長が早く止まって最終身長が低くなることがあります。また、まれにホルモンに関わる病気が隠れている場合もあります。急に身長が伸びた、陰毛が生えた、体のにおいが変わったといった変化も参考になります。これまでの身長・体重の記録をお持ちのうえ受診してください。必要に応じて専門機関をご紹介します。
左利きのようです。右利きに直したほうがいいですか?
左利きであることだけを理由に、右利きへ無理に直す必要はありません。お子さんが使いやすい手を尊重してください。ハサミなど、左手でも使いやすい道具を選び、園や学校とも相談するとよいでしょう。本人が困っていないのに繰り返し矯正を求めると負担になることがあります。一方、利き手の好みではなく、片方の手を急に使わなくなった、左右で動かしやすさが大きく違うなどの変化があれば、別の問題がないかご相談ください。
まばたきや咳払いを頻繁にします。癖でしょうか?やめさせるべきですか?
チックの可能性があります。チックは、本人の意思とは関係なく出る素早い動きや発声(まばたき・首振り・鼻ならし・咳払いなど)で、学童期の子どもに比較的多くみられ、多くは数か月〜1年ほどで自然に軽快するとされています(日本小児神経学会ほか)。最も大切な対応は「指摘しない・やめさせようとしない」ことです。注意されるほど本人は緊張し、かえって増えてしまいます。ご家族は気づいても見守り、園や学校にも同じ対応をお願いしてください。なお、「咳払い」のチックは、長引く咳や鼻の病気と紛らわしいことがあります。当院では耳鼻咽喉科的な原因(後鼻漏など)の除外もできますので、見分けに迷うときはご相談ください。1年以上続く場合や生活に支障がある場合も、対応をご相談ください。
朝どうしても起きられず、午前中は調子が悪そうです。怠けでしょうか?
小学校高学年〜中学生で、朝起きられない・立ちくらみ・午前中の頭痛や気分不良・午後になると元気、という経過は、「起立性調節障害」という自律神経の発達に関わる体の病気でよくみられる経過です。本人の気合いでは解決できず、叱責はかえって悪化させます。診断には、血圧や脈拍の変化を調べる検査を行い、貧血や甲状腺の病気など他の原因も除外します。治療は、水分・塩分を多めにとる、ゆっくり立ち上がる、生活リズムの調整が基本で、必要に応じて血圧を支える薬も使います。学校との連携についてもご相談に乗ります。
発達のことで相談したいのですが、どこに相談すればいいのか分かりません。
入り口はどこでも大丈夫ですが、かかりつけの当院を最初の相談窓口としてご利用ください。ことば・落ち着き・こだわり・集団生活の困りごとなど、気になることを診察でうかがい、聞こえの検査(耳鼻咽喉科)や発達の評価を行ったうえで、必要に応じて地域の専門機関——市の子育て支援・保健センターの発達相談、児童発達支援、専門医療機関——へおつなぎします。園の先生からの指摘をきっかけに受診される方も多く、園での様子のメモや連絡帳があると参考になります。
身長を伸ばすために、家庭でできることはありますか?サプリは効きますか?
結論から言うと、「身長を伸ばす」とうたうサプリメントについて、身長を伸ばす効果が科学的に確認されたものは、現時点で知られていません。成長ホルモンは飲んでも消化されてしまうため、口から補うことはできず、高額な商品も栄養補助以上の意味はないのが実情です。ご家庭でできることは、①十分な睡眠を確保すること、②たんぱく質を含むバランスのよい食事をとること、③日常的に体を動かすことです。成長ホルモンは深い睡眠中に分泌されるため、小学生では9〜12時間程度の睡眠を目安に、就寝時刻を整えてください。そのうえで、伸びが気になる場合は、成長曲線での評価をしますのでご相談ください。
赤ちゃんの頭の形がゆがんでいる(絶壁・斜め)のが気になります。治りますか?
条件や注意事項も含め、回答を省略せずに表示しています。
向き癖による変形は成長とともに目立たなくなることがありますが、原因や程度の評価が必要です。赤ちゃんの頭はやわらかく向き癖やいつも同じ向きで寝ることで一時的に平らになったりゆがんだりしますが、寝返り・お座り・たっちと頭に体重がかからない時間が増えるにつれ自然に丸くなっていくのが一般的です。ご家庭でできる対策は①起きているときにうつぶせ遊び(タミータイム)を大人が見守って取り入れる、②向き癖と反対側から声をかける・光を当てる、③授乳の向きを左右で変えることです。一方、変形が強い場合には、頭の形を整えるヘルメット治療(頭蓋形状矯正ヘルメット)という選択肢もあります。これは保険が使えない自由診療で、生後2〜6か月ごろの開始が一般的です。装具・診察を含めた費用の目安は約30万〜60万円、装着期間はおおむね3〜4か月で、1日20時間以上の装着が必要です。副作用として、装着部の湿疹・かぶれ・あせも、圧迫による痛みが生じることがあります。当院では頭の形の評価とご相談までを行い、治療をご希望の場合は実施している医療機関へご紹介します。
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赤ちゃんの頭のやわらかい部分(大泉門)が、ぺこぺこ動きます。いつ閉じますか?
大泉門(だいせんもん)は頭の骨がまだ完全にくっついていないためにあるひし形のやわらかい部分で脈に合わせてぺこぺこ動いて見えるのは正常です(皮膚や膜で覆われています)。触れてもそっとなでる・洗う程度なら問題ありません。閉じる時期は個人差が大きく生後10か月〜1歳半ごろにかけて自然に閉じていきます。注意して見ていただきたいのは①ぐったりして大泉門が大きくくぼんでいる(脱水のサイン)②機嫌が悪く大泉門が張って盛り上がっている(頭の中の圧が高いサイン)でこれらの場合は受診してください。
赤ちゃんのおへそのケアは、どうすればいいですか?じくじくして治りません。
へその緒が取れた後は、おへそを清潔にして乾燥させることが基本です。入浴後は水気をやさしく拭き取り、おむつがおへそに当たらないように折り返してください。以前はアルコール消毒が勧められることもありましたが、現在は特別な消毒をせず、自然に乾燥させる方法が一般的です。じくじくする場合は、清潔な綿棒などで水分をやさしく取り除いてください。少量の出血やかさぶたは自然な経過のことがあります。一方、赤く腫れてにおいのある膿が出る場合や、へその緒が取れた後に赤く湿った肉の盛り上がりが残る場合は受診してください。
夕方になると、原因もなく激しく泣き続けます。どこか悪いのでしょうか?
生後まもなくから3〜4か月ごろの赤ちゃんが夕方から夜にかけて激しく泣き続けることは「コリック(黄昏泣き・3か月疝痛)」と呼ばれ健康な赤ちゃんによくみられる現象です。「1日3時間以上・週3日以上・3週間以上続く」のが目安で原因ははっきり分かっていませんが、成長とともに軽くなることが多いです。ただし、発熱、飲めない、ぐったりする、いつもと違う泣き方がある場合は、黄昏泣きと決めつけず受診してください。まずおむつ・授乳・室温を確認しそれでも泣くなら①頭と首を支えて穏やかに抱っこする、②静かな環境にする、③無理のない範囲で散歩するなどを試します。すべて試して泣きやまなくても赤ちゃんが安全な場所にいるなら少し離れて深呼吸しても大丈夫です。絶対にしてはいけないのは泣きやまないことに耐えかねて激しく揺さぶること(乳児揺さぶられ症候群)です。つらいときは一人で抱えずご相談ください。
赤ちゃんの肌をきれいに保つ、正しいスキンケアの方法を教えてください。
ポイントは「やさしく洗ってしっかり保湿」です。赤ちゃんの肌はとても薄く乾燥しやすいため、①石けん・ベビーソープをよく泡立て手のひらでこすらずやさしく洗う(首・わき・股のくびれの奥まで)②ぬるめのお湯で洗い流す、③お風呂上がりはすぐ(できれば5分以内)に保湿剤をたっぷり塗るが基本です。「テカって見えるくらい」が保湿の適量の目安です。しっかりしたスキンケアで湿疹を防ぐことは、皮膚のバリア機能を保つうえで大切と考えられています。食物アレルギーとの関係については、現在も研究が進められている段階です。毎日続けることが何より大切です。それでも赤み・じくじく・かゆがりが強い湿疹は治療が必要ですので受診してください。
乳幼児突然死症候群(SIDS)が心配です。予防のためにできることは?
SIDS(乳幼児突然死症候群)は、それまで元気だった赤ちゃんが睡眠中に突然亡くなる病気です。原因は完全には分かっていませんが、リスクを下げる方法は分かっています。主なポイントは、①1歳になるまでは、寝かせるときにあおむけにすること、②可能な範囲で母乳育児を行うこと、③妊娠中や赤ちゃんの周囲で喫煙しないことです。加えて、顔が埋もれるような柔らかい寝具・枕・ぬいぐるみを寝床に置かず、暑くしすぎないことも大切です。寝返りをまだ自分で戻せない時期は、特にあおむけで寝かせてください。
最近「ビタミンD不足」をよく聞きます。赤ちゃんに日光浴やサプリは必要ですか?
ビタミンDは、骨を丈夫にするために必要な栄養素で、不足すると「くる病」の原因になります。近年は、日焼け止めの使用や外遊びの減少により、子どものビタミンD不足が指摘されています。母乳に含まれるビタミンDは少ないため、完全母乳のお子さんは不足しやすい傾向があります。ビタミンDは、真夏や真昼を避けた短時間の日光浴と、魚・きのこ・卵などの食事から得られます。日焼けさせる必要はありません。母乳で育てているお子さんでは、ビタミンDの補充が必要になる場合があります。必要性や補い方はお子さんによって異なりますので、健診の際にご相談ください。
生まれたばかりの赤ちゃんの胸が少しふくらみ、乳首から液が出ます。女の子は性器から出血も。
お母さんからのホルモンの影響で起こる場合がありますが、症状の程度や経過を確認します。原因は、お母さんの体内で赤ちゃんに移行した女性ホルモンの影響です。①新生児の乳房腫大(男女とも胸が少しふくらむ)——ときに、乳首から白い液(俗に「魔乳」と呼ばれます)が出ることもありますが、絞ったりせず、そっとしておけば、数週間〜数か月で自然におさまります。②新生児月経(女の子の性器から、少量の血の混じったおりものが数日出る)——これもホルモンが抜ける過程で起こる正常な現象です。どちらも、無理に触ったり絞ったりしないことが大切です(かえって炎症のもとになります)。ただし、乳房が赤く腫れて熱をもつ・膿が出る場合は、感染の可能性があるので受診してください。 性器からの出血が多い・数日でおさまらない場合や、元気がない場合も受診してください。
離乳食は、いつから・どのように始めればいいですか?
離乳食は、生後5〜6か月ごろに、首がすわり、支えると座ることができ、食べ物に興味を示し、スプーンを舌で押し出すことが減ってきたら始めます。最初は、なめらかにすりつぶした10倍がゆを1さじから始めてください。慣れてきたら、野菜、豆腐、白身魚、卵黄などへ少しずつ種類を増やします。新しい食材は、1日1種類、1さじから、医療機関を受診しやすい午前中に試してください。アレルギーを心配して卵などを必要以上に遅らせるのではなく、適切な時期に少量ずつ始めることが現在の基本的な考え方です。進め方に迷う場合は、健診時にご相談ください。
フォローアップミルクは、飲ませたほうがいいですか?普通の育児用ミルクとの違いは?
結論として、多くのお子さんに、フォローアップミルクは必須ではありません。フォローアップミルクは「牛乳の代わり」に近い位置づけの飲み物で、離乳食が順調に進み、鉄分を含む食事(肉・魚・卵・大豆など)がしっかり食べられていれば、あえて使う必要はありません。育児用ミルク(0か月から使える、母乳の代わりになるもの)とは異なり、フォローアップミルクは母乳・育児用ミルクの代わりにはなりません。使うことが勧められるのは、離乳食があまり進まず、鉄不足が心配な場合など、限られたケースです。生後9か月〜1歳以降が対象です。牛乳をそのまま飲ませ始める時期ともあわせて、健診でご相談ください。
はじめての靴は、いつ・どんなものを選べばいいですか?
ファーストシューズを用意する時期は靴を履いて外を歩く準備ができたころ——つまり、家の中で伝い歩きからしっかり数歩あんよができるようになったころが目安です。歩く前から靴を履かせる必要はありません。選び方のポイントは①足の指が自由に動くつま先にゆとりのある形、②かかとをしっかり支える硬めのかかと、③足の甲をマジックテープなどでしっかり固定できる、④底は適度に曲がり滑りにくいもの、⑤軽いものです。サイズは必ず両足を実際に履かせて立たせた状態でつま先に5〜10mmほどの余裕があるかを確認します。足は成長が速いので、3か月に一度はきつくなっていないかチェックしてください。すぐ大きくなるからと大きすぎる靴を選ぶのは転倒のもとで逆効果です。
学校の検尿で「再検査」になりました。腎臓の病気でしょうか?
学校検尿の再検査は、腎臓の病気と決まったという意味ではありませんが、指示どおり受けることが大切です。活動中にたんぱくが出て早朝尿ではみられない「起立性蛋白尿」の場合もあります。一方、血尿・蛋白尿が続く場合などには精密検査が必要です。再検査では、起きてすぐの早朝尿を指定された方法で採り、学校からの用紙とあわせて受診してください。当院で再検査のご相談に対応しています。むくみ、目で見て分かる血尿、尿が減るなどの変化があれば、再検査の予定日を待たず受診してください。
夜になると足を痛がって泣きますが、朝にはケロッとしています。成長痛でしょうか?
「成長痛」でみられる経過の一つですが、症状だけでは断定できません。3〜10歳ごろのお子さんに多く夕方〜夜間にひざの周りやふくらはぎ・太ももを痛がり翌朝には何事もなかったように元気に歩けるのが特徴です。両足に出たり日によって場所が変わったりします。原因ははっきりしていませんが、骨の成長そのものが痛いわけではなく日中の活動の疲れや心理的な要素も関わると考えられています。対応は痛がる部分をさすったり温めたり抱きしめて安心させると楽になることがあります。一方、成長痛と決めつけてはいけないサインもあります。①いつも決まった片方の同じ場所が痛む、②昼間も痛がり歩き方がおかしい、③腫れ・熱・赤みがある、④体重が減る・元気がないといった場合は別の病気の可能性があるため受診してください。
スポーツをしている子が、ひざの下の骨の出っぱりを痛がります。オスグッドですか?
オスグッド病(正式にはオスグッド・シュラッター病)の可能性があります。10〜15歳ごろの、サッカー・バスケ・バレーなど、走る・跳ぶ・蹴る動作の多いスポーツをする子に起こりやすく、ひざのお皿の下の骨の出っぱりが痛み、腫れて熱をもち、押すと痛いのが特徴です。急激な骨の成長に、太ももの筋肉の硬さが加わって、腱が骨を引っぱることで起こります。基本は、痛みが強い時期の運動量の調整(完全な休止でなく、痛みに応じて)・運動前後の太もものストレッチ・アイシングです。成長とともに軽くなることが多いですが、無理を続けると長引くため、痛みの強い時期は整形外科でご相談ください。
学校の健診で「背骨の曲がり(側弯症)の疑い」と言われました。どうすればいいですか?
整形外科の受診をおすすめします。側弯症は背骨が横に曲がったりねじれたりする状態で思春期の特に女の子に多くみられます。多くは原因不明ですが、進行の程度によって経過観察・装具・手術と対応が分かれるため、まずレントゲンで曲がりの角度を正確に測ることが大切です。ご家庭でのチェック方法もあります。上半身裸で両手を合わせて前かがみにおじぎをさせ背中を後ろから見て左右の肩の高さ・肩甲骨の出っぱり・腰の高さに明らかな左右差がないかを見ます(「前屈テスト」と呼ばれます)。成長期はぐんと進むことがあるため、早期発見と定期的な確認が重要です。健診の用紙を持って整形外科(側弯症を診る施設)を受診してください。必要な施設へのご紹介もできます。
かぜの後、急に足を引きずって歩き、股や膝を痛がります。何が考えられますか?
幼児〜学童でよくみられる「単純性股関節炎」の可能性があります。かぜなどの後に股関節に一時的な炎症(水がたまる)が起こるもので、3〜8歳ごろの男の子にやや多く片方の股の痛み・足を引きずる・股を動かすと痛がるといった症状が出ます。多くは安静で1〜2週間ほどで自然に治る比較的良性の病気です。ただし、見分けが必要な要注意の病気もあります。特に、①高熱をともない股を全く動かせないほど痛がる(細菌性の関節炎——緊急です)②痛みが数週間続く跛行(引きずり)が長引く(ペルテス病など精密検査が必要な股関節の病気)です。ですので、足を引きずる・股を痛がる場合は自己判断せず受診してください。当院で評価し必要に応じて整形外科へご紹介します。
子どもの脚がO脚(X脚)に見えます。矯正や治療は必要ですか?
成長に伴う自然な変化の場合は、治療を必要としないことが多いです。脚の形は年齢によって変化します。2歳ごろまではO脚に見えることが多く、その後3〜4歳ごろにはX脚気味になり、6〜7歳ごろまでに大人に近い形へ落ち着くのが一般的です。そのため、ある時期にO脚やX脚に見えても、多くは成長とともに自然に整っていきます。矯正器具や特別な靴も基本的には必要ありません。ただし、左右の曲がり方が大きく違う、片脚だけが曲がっている、年々曲がりが強くなる、低身長など他の気になる症状を伴う場合は、骨の病気が隠れていることがあります。気になる場合は、健診や受診の際にご相談ください。
歩き方が内股だったり、つま先立ちで歩いたりします。直したほうがいいですか?
成長とともに改善する場合もありますが、歩き方や左右差、ほかの発達を合わせて確認します。【内股歩き】は太ももやすねの骨のゆるやかなねじれによるもので、幼児期によくみられたいていは自然に治り矯正器具は不要です。転びやすさが強い場合は一度ご相談ください。【つま先歩き】は歩き始めのころに一時的にみられることが多く多くは問題ありませんが、注意が必要な場合もあります。①いつもつま先立ちでかかとを全くつけない、②アキレス腱が硬く足首が上に曲がらない、③発達の遅れや感覚の過敏さなどをともなうという場合はまれに神経・筋肉の問題や発達特性が関わることがあるため、受診をおすすめします。「たまにつま先歩き」でかかとをつけて歩ける時間もあるなら多くは心配いりません。
健診で「心臓に雑音がある」と言われました。心臓病でしょうか?
子どもの心雑音の多くは「無害性(機能性)心雑音」——心臓に病気がないのに聞こえる心配のいらない雑音です。子どもは心臓と胸の壁が近く血液の流れる音が聞こえやすいため、健康な子の実に多くで一時的に雑音が聞こえることがあります(発熱時ややせ型の子で聞こえやすくなります)。とはいえ雑音の中に心臓の構造の問題(心室中隔欠損など)によるものが隠れていることもあるため、区別が大切です。区別には心エコー(超音波)検査が有用で痛みなく心臓の中の様子を確認できます。「雑音がある」=「心臓病」ではありませんが、一度きちんと調べておくことが大事です。必要に応じて小児循環器の専門施設へご紹介します。
学校の心電図検査で「要精密検査」になりました。心配です。
「要精査」は心臓の状態を詳しく確認する必要があるという結果です。経過観察でよい場合もあれば、治療や生活上の配慮が必要な場合もあります。この健診は自覚症状のない不整脈や心臓の電気的な異常を早期に見つけるための大切な仕組みで「要精査=重い病気」という意味ではありません。精密検査ではより詳しい心電図・運動をした後の心電図・心エコー・24時間心電図(ホルター)などで必要なものを組み合わせて調べます。多くは経過を見ましょうという結果になります。学校からの結果を持って受診してください。当院で評価のうえ専門的な検査が必要な場合は小児循環器の施設へご紹介します。
子どもが「胸が痛い」と言います。心臓が悪いのでしょうか?
子どもの胸の痛みで心臓が原因となることは、比較的まれです。多いのは、肋骨まわりの筋肉や関節の痛み、かぜや咳による筋肉痛、ストレスや不安に伴う痛み、胃食道逆流などです。深呼吸や体をひねったときに痛む、押すと同じ痛みが再現される場合は、筋肉や肋骨まわりの痛みであることが多いです。一方、運動中・運動直後に痛む、失神を伴う、動悸がある、強い痛みが続く、家族に若年での心臓病や突然死がある場合は、心臓の評価が必要になります。判断に迷う場合も、遠慮なくご相談ください。
思春期の娘が、立ちくらみやだるさを訴えます。貧血でしょうか?
思春期特に女の子のだるさ・立ちくらみでは鉄欠乏性貧血が代表的な原因の一つです。この時期は①急激な成長で鉄の必要量が増える、②月経が始まって鉄が失われる、③ダイエットや偏食で鉄の摂取が減るという三重の理由で鉄が不足しやすいのです。症状は顔色の悪さ・疲れやすさ・立ちくらみ・動悸・集中力の低下などで氷をやたら食べたがる(氷食症)のも特徴的なサインです。血液検査で貧血の有無と体の鉄の貯金(貯蔵鉄=フェリチン)まで確認できます。ただし、思春期のだるさは起立性調節障害(自律神経の発達に関わるもの)でも起こり両者が重なることもあります。症状が続く場合は受診してください。
首やわきの下に、コリコリしたしこり(リンパ節)を触れます。ずっとあるようですが大丈夫ですか?
子どもの首・わき・足の付け根には豆粒〜小豆大のコロコロ動くリンパ節を健康な子でも触れることがよくあります。かぜや皮膚の小さな傷・湿疹に反応して少し腫れることも日常的でこれらは数週間〜数か月かけてゆっくり小さくなっていきます。「ずっとあるが大きくならずコロコロ動き押しても痛くない」ものは多くは心配いりません。一方、受診をおすすめするのは①だんだん大きくなる(特に2cmを超える)②硬くて動かない・皮膚とくっついている、③複数の場所で腫れる、④発熱・寝汗・体重減少をともなう、⑤赤く腫れて痛むという場合です。気になる場合は大きさをメモして当院でご相談ください。
ゲームやスマホで近視が進むのが心配です。予防できますか?
近視の進行には遺伝に加えて、「近くを長時間見る生活」と「屋外で過ごす時間の不足」が関わることが分かってきました。ゲーム・スマホそのものというより「近くを長時間見続けること」が近視を進めやすくします。予防・進行抑制のポイントは①屋外で過ごす時間を増やす——屋外で過ごす時間を長くすることが勧められています、②近業(近くを見る作業)では「20分に一度20秒間6m以上遠くを見る」休憩を入れる、③画面と目を30cm以上離す、④明るい部屋で見るです。近視が始まった・進みが速いお子さんには進行を抑える点眼薬や特殊なレンズなどの選択肢もありますので、眼科での相談をおすすめします。まず、外遊びの時間を増やすことが家庭で取り組める対策の一つです。
スマホやゲームのルールを、どう決めればいいですか?約束を守ってくれません。
一方的に禁止するよりも、お子さんと一緒にルールを作るほうが長続きしやすくなります。ポイントは、①お子さんと話し合って決めること、②時間だけでなく「場所と場面」も決め、食事中・就寝1時間前・寝室では使わないこと、③保護者の方も同じ場面ではスマートフォンを置くこと、④守れたときに認めることです。すべてを細かく制限するのではなく、「これだけは守る」という中心的なルールを決めると続けやすくなります。乳幼児では、使用しない時間を設け、食事などをしながら画面を見せないことが基本です。使いすぎによって睡眠・学業・気分・体調に支障が出ている場合は、背景に別の悩みがあることもありますので、ご相談ください。
中学生の子が夜更かしで、朝起きられません。睡眠不足が心配です。
思春期の睡眠不足は成長・学習・心の健康に影響するため、大切なテーマです。中高生に必要な睡眠は8〜10時間が目安ですが、実際には多くの子が足りていません。思春期は体内時計が生理的に「夜型」に傾く時期でもあり夜眠くなりにくいという背景もあります。改善のポイントは①朝の光を浴びる(休日も起きる時刻を大きくずらさないでください。ずらしても2時間以内に)②寝る1時間前からスマホ・ゲームの画面を控える(光と情報の刺激が入眠を妨げます)③カフェイン飲料を午後以降とらないです。特に「休日の寝だめで就寝時刻がさらに後ろ倒しになる」悪循環に注意します。なお、朝起きられない背景に起立性調節障害(自律神経の病気)が隠れていることもあるため、生活を整えても改善しない場合は受診してください。
子どもがエナジードリンクやコーヒーを飲みたがります。何歳から・どのくらいならいいですか?
結論として子どものカフェインはできるだけ控えることをおすすめします。特にエナジードリンクは1本にコーヒー数杯分ものカフェインを含む製品があり注意が必要です。カフェインをとりすぎると子どもでは眠れない・イライラ・動悸・手のふるえ・頭痛・吐き気などが起こりやすく少ない量でも影響が出やすいためです。海外には体重などに応じた摂取量の目安もありますが、一定量までは必ず影響がないと考えず、子どもはできるだけ控えましょう。特に、①エナジードリンクは中高生でも常用を避ける、②夕方以降は控える(睡眠を妨げます)③カフェインで眠気を飛ばして夜更かしする使い方は悪循環のもとです。眠気やだるさでこうした飲料に頼っている場合は背景に睡眠不足や貧血・起立性調節障害がないかご相談ください。
娘の生理(月経)のことで相談したいです。小児科で診てもらえますか?
はいご相談ください。初経(初めての生理)前後の女の子の月経に関する悩みは小児科でお受けできます。よくあるご相談は①初経が来ない・遅い(15歳ごろまでに来ない場合は一度相談を)②生理不順(始まって数年は不安定なことが多く多くは経過とともに整います)③生理痛が強い・寝込むほど(がまんせず相談してください。痛みを和らげる方法があります)④経血が多い・貧血が心配などです。必要な検査を検討し、婦人科など専門的に相談できる医療機関へご紹介します。当院で実施していない検査は、紹介先での評価をご案内します。デリケートな話題ですので、本人が話しやすいよう配慮します。生理は体の成長のサインであり恥ずかしいことではないとご家庭でも前向きに伝えてあげてください。
思春期のニキビがひどいです。皮膚科に行くべきですか?市販薬でいいですか?
ニキビは「青春のシンボル」と軽く見られがちですが、適切な治療で改善できる皮膚の病気です。クレーター状の跡や色素沈着を残さないためにも、症状が強い場合は治療をおすすめします。市販薬で改善しない、赤く腫れたり膿をもったりする、数が多いといった場合は受診の目安です。現在は、毛穴のつまりを改善する塗り薬など、保険診療で受けられる効果的な治療があります。自己判断でつぶすよりも、早めに治療するほうがきれいに治りやすくなります。ご家庭では、①1日2回やさしく洗顔して皮脂を落としすぎないこと、②髪や手で触りすぎず、つぶさないこと、③油分の少ない保湿剤を使うことが基本です。洗いすぎや強くこすることは、かえって悪化の原因になります。見た目の悩みは心の負担にもなりますので、つらくなる前にご相談ください。
思春期の子との接し方に悩みます。反抗的で、話しかけても嫌がられます。
思春期の反抗は、親から自立していくための自然な発達過程です。ただ、向き合うご家族が大変に感じるのも当然です。まずはアドバイスや説教を急がず、話を最後まで聞くことを意識してください。正論で追い詰めたり、人前で叱ったりすると、心を閉ざしてしまうことがあります。干渉しすぎず、放っておきすぎず、「見守っている」ことが伝わる距離感を探しましょう。命や安全に関わること、他者を傷つけることには、毅然とした態度で一線を引くことも必要です。会話が減っても、送り迎えや食事など、横に並んで過ごす時間を保つと、ふとしたときに本音が出ることがあります。部屋にこもりきりで元気がない、食事や睡眠が大きく乱れている、自分を傷つける様子がある場合は、反抗期だけと考えずご相談ください。
子どもが学校に行きたがりません。「おなかが痛い」と言いますが、無理にでも行かせるべきですか?
まず、お子さんが訴える体の症状を軽く見ないことが大切です。学校へ行きづらくなっているお子さんの腹痛や頭痛は、仮病ではなく、心の負担が実際の身体症状として表れていることがあります。無理に登校させることで、かえって状態が悪化する場合もあります。まずは、便秘、貧血、起立性調節障害など、体の病気が隠れていないかを確認しましょう。そのうえで、本人を責めず、安心して過ごせる家庭環境を保ち、学校の担任やスクールカウンセラー、地域の相談窓口と連携することが大切です。「行くか、行かないか」の二択を急ぐのではなく、背景にある原因を一緒に整理していきましょう。いじめ、学業、友人関係、発達特性、気分の落ち込みなど、さまざまな要因が関係していることがあります。ご家庭だけで抱え込まず、当院へご相談ください。
起立性調節障害と言われました。どんな治療をするのですか?治りますか?
起立性調節障害(OD)は自律神経の働きのアンバランスで立ち上がったときに血圧・脳への血流をうまく保てず朝起きられない・立ちくらみ・だるさ・午前中の不調・午後に回復といった症状が出る思春期に多い体の病気です。「怠け」や「気の持ちよう」ではありません。治療は①非薬物療法が土台——水分・塩分のとり方を年齢や体格、ほかの病気の有無に合わせて医師と相談する/急に立ち上がらずゆっくり立つ/日中は横にならず少しずつ体を動かす/規則正しい生活、②必要に応じて血圧を支える薬、③学校との連携(登校時間の配慮など)です。多くは成長とともに数か月〜数年かけて改善していきますが、焦らず取り組むことが大切です。不登校と重なることもありその場合は心のケアも合わせて行います。一緒に無理のない形を探していきましょう。
子どもが頭痛を繰り返します。片頭痛でしょうか?どう対応すればいいですか?
子どもの繰り返す頭痛で多いのは片頭痛と緊張型頭痛です。【片頭痛】はズキズキと脈打つ痛みで体を動かすと悪化し光や音を嫌がり吐き気をともなうことがあります。子どもでは大人より短時間(1〜数時間)で頭の両側に出ることも多いのが特徴です。暗く静かな部屋で休む・眠ると楽になります。【緊張型頭痛】は頭が締めつけられるような鈍い痛みで肩こり・疲れ・ストレスと関連します。対応は頭痛ダイアリー(いつ・どんなときに・どのくらい)をつけると誘因(寝不足・空腹・特定の日など)が見え診断と対策に役立ちます。鎮痛薬を頻繁に使うと、かえって頭痛が増えることがあります。薬の種類によって目安が異なるため、使用日数を記録し、増えてきたら相談してください。ただし、①朝方や明け方の頭痛で嘔吐をともなう、②だんだんひどくなる、③手足の麻痺・けいれん・意識の異常をともなうという場合は精密検査が必要なので、すぐ受診してください。
以前からのチックが、種類が増えたり、声も出たりするようになりました。悪化していますか?
チックは良くなったり悪くなったりを繰り返しながら日や時期によって症状の種類や場所が変わるのが特徴で変化すること自体はチックの自然な経過の範囲内です。運動のチック(まばたき・首振りなど)に加えて、音声のチック(咳払い・鼻鳴らし・声を出すなど)が出ることもあります。運動と音声の両方が1年以上続く場合は「トゥレット症」と呼ばれますが、これも多くは思春期をピークに成長とともに軽くなっていきます。対応の基本は変わらず①指摘しない・やめさせようとしない(注目・緊張で増えます)②睡眠不足・疲れ・ストレスを減らすです。悪化して心配なとき、生活・学業・友人関係に支障が出ているとき、本人がつらいときは薬による治療や専門的な支援の選択肢もありますので、ご相談ください。まずは本人が安心して過ごせる環境づくりが大切です。
子どもの肥満を指摘されました。子どもでも脂肪肝や生活習慣病になるのですか?
はい子どもでも肥満が進むと脂肪肝・高血圧・血糖や脂質の異常といった生活習慣病の芽が出てくることがあります。かつて「大人の病気」とされたものが肥満のあるお子さんでみられるようになっています。ただ脅すことが目的ではありません。大切なのは①まず、肥満の程度を評価し必要なら血液検査などで体の状態を確認する、②成長期は「体重を減らす」より「増え方をゆるやかにして身長の伸びを待つ」のが基本、③甘い飲み物を水やお茶に・間食のルール・体を動かす・十分な睡眠を家族みんなで無理なくが方針です。生活の見直しで改善が期待できる場合がありますが、年齢や肥満の程度、合併症によって必要な対応は異なります。当院ではお子さんの肥満に関する健康相談を行っていますので、叱るのではなく一緒に取り組む形でご相談ください。
身長が急に伸びる時期は、いつごろですか?いつまで伸びますか?
身長がぐんと伸びる時期(成長のスパート)は思春期と関係しています。目安として【女の子】は10歳ごろから伸びのピークを迎え初経(初めての生理)を過ぎると伸びは緩やかになりおおむね15〜16歳ごろに止まっていきます。【男の子】は女の子より2年ほど遅れて12〜13歳ごろにピークを迎え17〜18歳ごろまで伸びることが多いです。「思春期が始まると一気に伸びてその後止まる」という流れです。ですので、思春期が早く始まりすぎると早く伸びて早く止まりかえって最終身長が低くなることがあります(これが思春期早発症の心配な点です)。伸びのペースは成長曲線に記録するとひと目で分かります。急に伸びが止まった・思春期のサインが早すぎる・遅すぎるなど気になる場合は記録を持ってご相談ください。
足の親指の爪が、皮膚に食い込んで痛がります。どうすればいいですか?
爪が皮膚に食い込む陥入爪(かんにゅうそう)などが考えられます。お子さんでは深爪ときつい靴が二大原因です。軽いうちのケアは①深爪をやめ爪の先を指の先と同じくらいの長さに四角く切る(角を落としすぎない)②きつい靴・先の細い靴を避ける、③赤く腫れた部分は清潔に保ち悪化させないです。食い込む角の下に少量の清潔なコットンを挟んで爪を持ち上げる方法もあります。一方、①赤く腫れて膿が出ている、②赤い肉が盛り上がってきた、③痛みが強く歩きにくいという場合は感染や処置が必要な状態ですので、受診してください。皮膚科や必要に応じて専門的な処置(テーピング・矯正・部分的な手術など)を行う施設へご紹介します。まずは深爪をやめることが再発予防の基本です。
2歳のイヤイヤ期がひどく、何を言っても「イヤ!」で疲れ果てます。どう接すればいいですか?
まず、イヤイヤ期は「自分でやりたい」「自分で決めたい」という自我が芽生えた順調な発達のサインです(「第一次反抗期」と呼ばれます)。とはいえ毎日つき合うご家族は本当にお疲れですよね。対応のヒントは①選択肢を与える——「着替える?」ではなく「赤い服と青い服どっち?」と本人に選ばせるとすんなりいくことがあります。②危険・迷惑以外はできる範囲で本人の「自分で」を尊重する、③かんしゃくが爆発したら説得よりまず気持ちを言葉にして受け止める(「イヤだったね」)④切り替えのきっかけ(別の遊び・場所の移動)を作るです。すべてに完璧に対応するのは無理ですので、「今日は乗り切れた」で十分です。親が疲れ果ててしまう前に頼れる人・場所を確保することも立派な対応です。発達の心配をともなう場合は健診などでご相談ください。
かんしゃくを起こすと、床にひっくり返って泣き叫び、手がつけられません。
幼児のかんしゃくはまだ感情を言葉でうまく扱えないための自然な発達過程です。対応の基本は「爆発の最中は説得しない」ことです。手順のヒントは①まず、けがをしない安全を確保する(周りの危険物をどける)②爆発の最中の理屈や説得は届かないので、そばで落ち着くのを待つ、③少し落ち着いたら気持ちを言葉にして受け止める(「〜したかったんだね」)④気持ちは受け止めながら、必要なルールは落ち着いて一貫した伝え方をする⑤おさまったら切り替えを認めてあげるです。予防として空腹・眠さ・疲れの時間帯を避ける見通しを伝えておく(「あと1回で帰るよ」)も有効です。なお、①4〜5歳を過ぎても頻繁で激しい、②自分や他人を傷つける、③発達の心配をともなうという場合は背景を一緒に考えますので、ご相談ください。
人見知りや後追いが激しく、私から離れられません。甘やかしすぎでしょうか?
甘やかしのせいではありません。人見知りや後追いは生後半年ごろから始まる「特定の人(お母さんなど)が大好きで安心の基地になっている」という身近な人との愛着(あいちゃく)が育つ過程でみられる行動です。ベタベタとくっつくことで子どもは安心感を充電しその安心を土台に少しずつ外の世界を探索できるようになります。ですので、無理に引き離すより「行っておいで」と送り出し「おかえり」と迎えるを繰り返すうちに自然と離れられるようになっていきます。多くは1歳半〜2歳ごろにかけて和らいでいきます。一方、①周囲の人や物への興味がとても乏しい、②目が合いにくい・呼んでも反応が薄い、③言葉や指さしの発達が気になるといった心配をともなう場合は健診などでご相談ください。人見知りだけで発達の問題と決めつける必要はありません。
子どもが、股(性器)をよく触ったり、こすりつけたりします。異常でしょうか?やめさせるべき?
幼児にみられる自己刺激のことがあります。幼児が性器を触る行為(幼児自慰)は指しゃぶりと同じような自分を落ち着かせる自己刺激の一つで退屈なとき・眠いとき・不安なときに出やすく発達の過程でよくみられます。大人と同じ意味づけで捉えたり、恥ずかしいと責めたりする必要はありません。ですので、叱ったり無理にやめさせたり恥ずかしいことだと強く言ったりするのは逆効果です(かえって隠れて執着したり自己否定につながったりします)。対応は①騒ぎ立てずさりげなく別の遊びに誘う、②手持ちぶさた・退屈の時間を減らす、③清潔を保つ(かゆみ・湿疹・蟯虫などがきっかけのこともあるため、赤み・かゆがりがあれば受診を)です。多くは成長とともに他の楽しみが増えるにつれ自然に減っていきます。人前でのマナーは成長に応じて穏やかに教えていけば十分です。頻度が非常に多く日常生活に支障がある場合はご相談ください。
2歳になっても、まだ意味のある言葉がほとんど出ません。様子を見ていいですか?
言葉の発達には個人差が大きいものですが、目安と確認すべきポイントをお伝えします。まず大切なのは話す言葉(表出)以上に「言葉の理解」と「コミュニケーションの土台」です。①こちらの言うこと(「ちょうだい」「ないないして」等)を理解して行動できるか、②指さしをするか(あれ見てと共有する指さし)③目が合い名前を呼ぶと振り向くか、④身ぶりや表情でやりとりしようとするかなどが重要なサインです。これらが育っていることは参考になりますが、2歳で意味のある言葉がほとんど出ない場合は、一度発達と聞こえを確認しましょう。逆に、これらの理解・やりとりの面に気がかりがある場合やいったん出た言葉が消えた場合は様子を見ずにご相談ください。また、言葉の遅れでは必ず「聞こえ」の確認が必要です(聞こえの問題が隠れていることがあります)。気になる時点でお気軽にご相談ください。
1歳半になっても、まだ歩きません。遅すぎませんか?
歩き始めの時期は個人差が大きくおおむね生後9か月〜1歳半ごろまでの幅があり1歳半ごろまでに歩き出せば多くは正常範囲です。ですので、1歳半でこれからというお子さんも珍しくありません。ただ確認しておきたいポイントがあります。①つかまり立ち・伝い歩きができているか(できていれば歩行はもうすぐのことが多いです)②お座り・ハイハイなどそれまでの運動発達は順調だったか、③足の突っぱりが強い・左右差があるなどの気がかりがないかなどが挙げられます。判断の目安として1歳半を過ぎてもひとり歩きがみられない場合は一度ご相談ください。運動発達全体の流れ(首すわり→お座り→はいはい→つかまり立ち→歩行)の中で大きな遅れやアンバランスがないかを診ます。多くはその子のペースですが、念のための確認は大切ですので、気になる場合は健診でご相談ください。
首すわりが遅い気がします。運動の発達の目安を教えてください。
運動発達のおおまかな目安(あくまで平均で個人差があります)をお伝えします。首すわり:生後3〜4か月/寝返り:5〜6か月/お座り(支えなし):7〜8か月/はいはい・つかまり立ち:8〜10か月/伝い歩き:10〜11か月/ひとり歩き:1歳〜1歳半が一つの目安です。大切なのは「一つひとつの時期」より「順を追って少しずつ進んでいるか」という流れです。首すわりについては生後5か月を過ぎてもうつぶせで頭を持ち上げられない・縦抱きで頭がぐらぐらする場合は一度ご相談ください。また、①手足の突っ張りが強いまたはぐにゃぐにゃとやわらかすぎる、②左右の動きに明らかな差がある、③あやしても笑わない・目が合いにくいといった運動以外の気がかりをともなう場合もご相談ください。健診は発達の流れを確認する大切な機会です。
発達障害ではないかと心配です。どんなサインに気をつければいいですか?受診の目安は?個別Q&A
ここに挙げるサインは「あれば発達障害」という診断ではなく「相談を考える手がかり」としてご覧ください。気がかりの例として①目が合いにくい・名前を呼んでも反応が薄い、②指さし(共有の指さし)が出ない、③言葉の遅れまたはいったん出た言葉が消えた、④強いこだわり・強い偏食・感覚の過敏、⑤かんしゃくが激しく切り替えが極端に苦手、⑥落ち着きのなさ・待つのが極端に苦手などです。ただし、これらはその年齢では普通のことも多く単独では判断できません。大切なのは「診断名」より「今その子が何に困っているか」で困りごとがあれば診断がついてもつかなくても環境の工夫や支援は始められます。当院では聞こえの確認(耳鼻咽喉科)と発達の評価を行い必要に応じて専門機関や地域の支援につなぎます。
落ち着きがなく、じっとしていられません。多動(ADHD)でしょうか?
まず前提として幼児が活発でじっとしていられないのは多くの場合、年齢相応のごく普通のことです。ですので、「動きが多い」だけで多動症(ADHD)と決まるわけではありません。ADHDは通常集団生活が本格化する就学前後以降に①不注意(気が散りやすい・忘れ物・話を聞いていないように見える)②多動・衝動性(じっとできない・待てない・順番を守れない・出し抜けの言動)が年齢に不釣り合いに強く複数の場面(家庭・園・学校)で生活に支障が出るという形で捉えます。大切なのは「困っているかどうか」です。本人が叱られてばかりでつらい集団についていけないといった困りごとがあれば診断の有無に関わらず環境の工夫(視覚的な手がかり・短い指示・できたらほめる、など)が役立つことがあります。園や学校での様子のメモがあると評価に役立ちます。気になる場合はご相談ください。
トイレトレーニングは、いつ・どう始めればいいですか?なかなか、おむつが外れません。
焦らないことが一番のコツです。おむつが外れる時期には大きな個人差があり、他のお子さんと比べる必要はありません。開始の目安は年齢よりも体の準備です。①おしっこの間隔が2時間以上あく、②一人で歩いて便座やおまるに座れる、③「おしっこが出た」など、簡単な言葉やしぐさで伝えられる、という条件がそろってきたら始めどきです。一般には2〜3歳ごろが目安ですが、個人差があります。最初は遊び感覚でトイレやおまるに座らせ、タイミングよく排泄できたら十分にほめてください。失敗しても叱らないことが大切です。うまく進まないときは、いったん休んで時期を待つことも有効です。便秘があると進みにくいことがあるため、その場合はご相談ください。
言葉や知能の発達に、読み聞かせや、テレビ・動画は、どう影響しますか?
ポイントは「一方通行かやりとりがあるか」です。【読み聞かせ・語りかけ】は発達にとても良い影響があります。大切なのは親子で同じものを見て指さしたり言葉を交わしたりする「やりとり(共同注意)」でこれが言葉や社会性の発達を大きく後押しします。上手に読む必要はなく絵を指さして「わんわんだね」と対話するだけで十分です。【テレビ・動画】はそれ自体が悪いわけではありませんが、一方通行でやりとりがないため、長時間の「見せっぱなし」は語りかけ・遊び・睡眠の時間を奪い発達にとってマイナスに働きます。特に、2歳未満は内容を理解しにくくできるだけ控えるのが望ましいとされます。使う場合は①時間を決める、②できれば一緒に見て内容について話す(見せっぱなしにしない)を心がけてください。「メディアを断つ」より「やりとりの時間をしっかり確保する」と考えると取り組みやすいです。
下の子が生まれてから、上の子が赤ちゃん返りをします。どう接すればいいですか?
きょうだいの誕生に伴う変化や不安から、一時的に甘えが強くなったり、できていたことをしなくなったりする場合があります。わがままと決めつけず、気持ちを受け止めましょう。できていたことができなくなる・抱っこをせがむ・わざと困らせるなどの形で出ます。接し方のヒントは①下の子の世話の合間に上の子と二人きりの時間を短くても意識して作る(「あなたも大切」を行動で伝える)②「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」と我慢を強いすぎない、③甘えをいったん受け止める④下のお子さんのお世話を手伝ってもらったときは、「ありがとう、助かったよ」と感謝を伝えることです。上の子の赤ちゃん返りはご家族にとっては大変ですが、多くは一時的なものです。無理に「お兄ちゃんらしさ」を求めず甘えを受け止めるうちに落ち着いていきます。ご家族が疲れすぎないよう周りを頼ることも大切です。
6歳臼歯(きゅうし)が生えてきました。むし歯になりやすいと聞きましたが、どうケアすればいいですか?
6歳臼歯(第一大臼歯)は、6歳ごろに乳歯の一番奥から生えてくる最初の永久歯です。一生使う大切な歯ですが、生え始めは背が低く歯ブラシが届きにくいうえ、噛む面の溝が深いため、むし歯になりやすい特徴があります。生えてきたことにお子さん自身が気づきにくいこともあります。仕上げ磨きでは、歯ブラシを横から入れるようにして奥まで丁寧に磨いてください。フッ素の活用や、歯科で溝を埋めるシーラントという処置も、むし歯予防に役立ちます。定期的な歯科健診とフッ素塗布もおすすめします。
むし歯予防のフッ素は、安全ですか?歯磨き粉のフッ素は、どのくらい使えばいいですか?
フッ化物(フッ素)には、歯を強くする、初期のむし歯の再石灰化を助ける、むし歯菌の働きを抑える、という3つの作用があるとされています(日本口腔衛生学会ほか4学会「フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法」2023年)。歯磨き粉の使用量の目安(日本の学会が示すもの)はおおむね①歯が生えて〜2歳:1〜2mm程度フッ素濃度1000ppm、②3〜5歳:5mm程度(グリーンピース大)、フッ素濃度1000ppm、③6歳〜:1〜2cm程度、フッ素濃度1500ppm程度と年齢が上がるほど量を増やします。磨いた後は少量の水で1回すすぐ程度にするとフッ素が口に残り効果的です(うがいのしすぎは効果を流してしまいます)。年齢に合う濃度と量を守り、歯磨き粉を大量に飲み込まないよう保護者が管理してください。使用量やうがいの方法は、製品の表示および歯科医師・歯科衛生士の指示に従ってください。歯科でのフッ素塗布(より高濃度)も定期的に受けると効果的です。使う量やうがいの方法に迷ったら健診や歯科でご相談ください。
子どもが、寝ている間に、ギリギリと歯ぎしりをします。歯や、あごに悪くないですか?
子どもの歯ぎしりの多くは心配のいらないものです。乳歯〜生え変わりの時期の歯ぎしりは①歯の生え変わりに伴う噛み合わせの調整、②あごの成長の過程としてごく自然に起こることが多く大人の歯ぎしり(ストレス性のことが多い)とは意味合いが異なります。多くは成長とともに自然に減っていきます。ですので、通常はマウスピースなどの特別な治療は不要です。ただし、①歯が目立ってすり減ってきた、②歯が欠けた・ひびが入った、③あごの痛み・口を開けにくさをともなう、④永久歯が生えそろった後も強い歯ぎしりが続くという場合は歯科でのご相談をおすすめします。夜間の歯ぎしりの音は大きく心配になりますが、多くは成長の一場面です。気になる場合は歯科健診の際に相談してみてください。
歯並びが気になります。指しゃぶりや、おしゃぶりは、歯並びに影響しますか?矯正は、いつから?
長く続く指しゃぶり・おしゃぶりは歯並びに影響することがあります。目安として4〜5歳を過ぎても頻繁な指しゃぶりが続くと前歯がかみ合わない(開咬:かいこう)・出っ歯などの原因になることがあります。逆に言えば4歳ごろまでにやめられれば多くは影響が出ても自然に戻っていきます。ですので、あまり早くから神経質になる必要はありません。歯並び・かみ合わせの矯正治療については①乳歯と永久歯が混ざる時期(6〜10歳ごろ)に始めるあごの成長を利用した治療、②永久歯が生えそろってから始める治療と開始時期は状態によってさまざまです。「いつがベストか」は個々のかみ合わせやあごの状態によるため、まずはかかりつけの歯科・矯正歯科で相談し、状態を評価してもらいましょう。
卒乳・断乳はいつごろ、どうやってすればいいですか?
卒乳(子どもが自然に母乳・ミルクを卒業する)と断乳(親が意図的にやめる)は、お子さんの食事の進み方や栄養状態、ご家族の状況を踏まえて方法を考えます。時期の目安はWHO(世界保健機関)は「2歳以上まで母乳育児を続けることを推奨する」としており日本でも「1歳以降離乳食が順調に進んでいれば母乳やミルクをいつまで続けるかはご家族の判断でよい」とされています。断乳をする場合の進め方は急にやめるとおっぱいの張り・乳腺炎のリスクとお子さんの精神的な混乱が起きやすいため、段階的に回数を減らす方法がおすすめです。タイミングとして環境の変化(引っ越し・入園)や体調不良のときは避けるほうがスムーズです。「哺乳ビン」の卒業については1歳〜1歳半ごろにコップで飲む練習を始め2歳頃までには卒業を目指すと虫歯予防の観点からもよいとされています。
赤ちゃんの夜泣きがひどく、毎晩つらいです。原因と対処を教えてください。
夜泣きは多くの赤ちゃんにみられる成長過程の一つで、はっきりした原因が分からないことも少なくありません。生後3〜6か月ごろから始まり、1歳前後に多く、2歳ごろまでに落ち着くことが一般的です。まず、授乳・おむつ・室温などを確認し、抱っこや授乳などで安心させてください。寝室を暗く静かにし、昼夜の生活リズムを整えることも役立ちます。夜泣きは保護者の方の育て方が原因ではありません。ご家族が限界になる前に、交代して休む、周囲へ助けを求めることも大切です。どうしてもつらいときは、赤ちゃんを安全な場所へ寝かせ、数分間その場を離れて気持ちを落ち着かせてもかまいません。発熱などの体調不良がある、耳を痛がる、いつもと明らかに様子が違う場合は受診してください。一人で抱え込まず、ご相談ください。
早産で生まれました。発達の評価は、生まれた日と修正月齢、どちらで判断すればいいですか?
修正月齢で評価するのが基本です。修正月齢は「出産予定日を0日として数えた月齢」でたとえば在胎32週(8週早い)で生まれた赤ちゃんが今3か月なら修正月齢は約1か月です。早産の赤ちゃんは子宮の外で本来まだ子宮の中にいるべき時間を過ごしているため、発達の評価を実際の月齢でするのは無理な比較になります。修正月齢での評価はおおよそ2歳ごろまでが目安でそれ以降は実際の月齢との差が小さくなっていきます。発達の評価と健診・予防接種の実施時期は別です。自治体から案内された健診は自己判断で延期せず、受診時期を自治体や主治医へ確認してください。ただし、早産の程度・NICU入院期間・合併症の有無によって発達のフォローの必要性が異なります。退院後のフォローアップ外来(NICU退院後の定期健診)に引き続き通われている場合はそちらの指示に従ってください。当院でも修正月齢を確認のうえ発達のご相談に対応します。
子どもの爪の正しい切り方と、爪が割れる・縦に線が入るときの対処を教えてください。
爪の切り方の基本は、①入浴後やお湯で柔らかくなった後に切る、②指先の形に合わせ、少し余裕を残して(深切りしない)③角は少しだけ整える程度にする(切りすぎると陥入爪の原因になります)です。爪切りではなく、乳幼児期にはやすりで少しずつ整える方法もあります。爪が縦に割れる・縦の線が入る原因は指先の乾燥や刺激などが考えられますが、爪の様子だけで栄養不足と断定はできません。保湿や刺激を避ける工夫をし、続く場合は相談してください。爪が横に線が入る(ボー線)場合は、数週間前に高熱などの病気があったサインのことがあります。爪が全体的に白い・黄色い・厚くなる・崩れる場合は、爪白癬(爪のカビ感染)のことがあるため受診してください。陥入爪(食い込む)は深爪と、窮屈な靴が原因のことが多く、深爪をやめ、つま先に余裕のある靴を選ぶことが基本的な予防です。
子どもの発達を伸ばすために、日常でできることを教えてください。
子どもの発達には、日常の関わりがとても大切です。特別な教材よりも、①生活の中で「小鳥がいるね」「暑いね」などとたくさん語りかけること、②指さしたものを一緒に見て気持ちを共有すること、③外遊び・積み木・粘土など、体や五感を使う遊びを取り入れること、④すぐに手を出しすぎず、少し考える時間を見守ること、⑤抱っこやふれあい遊びを大切にすることが、ことば・社会性・運動・情緒の発達につながります。完璧な関わりを目指す必要はありません。お子さんと笑顔で楽しい時間を共有することが、発達を支える関わりになります。
指しゃぶりをやめさせたいのですが、どうすればいいですか?
まず、焦らなくて大丈夫です。指しゃぶりは、乳幼児が自分を落ち着かせるために行う自然な行動で、多くは4〜5歳ごろまでに減っていきます。無理にやめさせようとすると、かえって執着したり、別のストレス行動が出たりすることがあります。手を使う楽しい遊びを増やし、気づいたときは叱らず、手を使う遊びへさりげなく誘ってください。4〜5歳以降で本人も気にしている場合は、シールで記録するなど、一緒に目標を決める方法が役立ちます。爪に苦い液を塗る方法は、本人が納得している場合に限って検討してください。4歳を過ぎても続き、歯並びへの影響が心配な場合は、歯科での確認とあわせてご相談ください。当院では、背景に鼻づまりがないかも確認できます。
子どもに白髪があります。抜け毛が多い気もします。病気でしょうか?
子どもの白髪・抜け毛もいくつかの原因が考えられます。【白髪】子どもの白髪の多くは遺伝によるものや一時的なもので、少数の白髪が混じる程度なら多くは心配いりません。ただし、ストレスや体調不良の後に急に増えた・広い範囲に出た場合はまれに白斑(皮膚の色素細胞の問題)が関わることがあるため、皮膚科での確認をおすすめします。【抜け毛が多い】円形脱毛症(斑状に抜ける)・脂漏性皮膚炎・トリコチロマニア(強迫的に髪を引き抜く)などが原因のことがあります。「いつもと違うまとまって抜ける・丸く禿げる」という場合は皮膚科を受診してください。また、甲状腺の病気や貧血(鉄欠乏)でも抜け毛が増えることがあるため、全身の状態と合わせて確認が必要なこともあります。心配な場合は当院での血液検査や必要に応じた皮膚科へのご紹介ができますのでご相談ください。
おねしょがなかなか治りません。5歳を過ぎても続いています。治療が必要ですか?
5歳以上で月1回以上のおねしょが3か月以上続く状態を「夜尿症」といいます。膀胱にためられる尿の量や夜間の尿量などが関わります。本人の怠けやしつけの問題ではありません。まず、日中に必要な水分をとり、夕方以降の飲み方・塩分・就寝前のトイレを、生活や体調に合わせて調整します。自己判断で極端な水分制限はしないでください。便秘も合わせて確認します。続く場合や本人・ご家族が困っている場合は、生活の工夫に加え、薬やアラーム療法を相談できます。叱らず、本人が取り組めた行動を認めてあげてください。
爪をかむ癖があります。衛生的に心配です。やめさせるにはどうすればいいですか?
爪かみは子どもによくみられる習慣で、緊張・退屈・不安を感じるときに出やすく、多くは成長とともに減っていきます。衛生面では、こまめに手を洗い、爪を短く清潔に保つことが大切です。叱るとかえってストレスが強まり、爪かみが増えることがあるため、強く注意しすぎないようにしてください。本人が気にし始めたら一緒に目標を決め、手を使う遊びなどで手持ちぶさたの時間を減らしましょう。苦い液は、本人が納得している場合には補助的に使えますが、無理に使用しないでください。背景に大きなストレスがある場合は、その原因へ目を向けることも大切です。爪が変形するほどかむ、爪の周りが赤く腫れる場合は受診してください。
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本文確認:2026-09-07 / 表示調整:2026-09-15