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吐いたあと、水分はいつから飲ませていいですか?
吐き気が落ち着いたところで、経口補水液をスプーン1杯(約5mL)ずつ、5分おきなど少量・頻回に始めてください。一度に多く飲ませず、吐かなければ少しずつ量を増やします。「必ず1時間は飲ませない」と決めて長く水分を止める必要はありません。母乳は少量ずつ続けられます。少量でも吐き続けて飲めない、尿が明らかに減る、ぐったりする場合は、自宅での水分補給だけで様子をみず受診してください。
嘔吐や下痢のとき、食事はどうすればいいですか?個別Q&A
嘔吐や下痢では、まず水分補給を優先します。吐き気が落ち着き、水分がとれて食欲が戻ったら、年齢に合ったふだんの食事を少量ずつ再開してください。おかゆやうどんなど食べやすいものでも構いませんが、何日も特別な食事に制限する必要はありません。母乳は続け、ミルクは薄めず通常の濃度で与えます。脂っこいものや糖分の多いジュースは控えめにしてください。下痢が長引き、乳製品などで悪化する場合は、自己判断で長く除去せずご相談ください。
下痢や嘔吐は、どうなったら受診が必要ですか?
①おしっこが明らかに減った・長時間出ない・泣いても涙が出ない(脱水のサイン)②水分を受けつけず吐き続ける、③血便が出た、④緑色のもの(胆汁)を吐いた、⑤激しく泣く時間と、ぐったりする時間を繰り返す、⑥ぐったりして反応が鈍い、のいずれかがあればすぐに受診してください。乳児は脱水が進みやすいため早めに相談してください。水分がとれて元気で、上記のサインがなければ経過を観察できますが、悪化時は予定を待たず受診してください。
うんちが白っぽいです。大丈夫でしょうか?個別Q&A
白っぽい便は、胃腸炎でみられることもありますが、色だけで原因は判断できません。特に生後数か月の赤ちゃんでは、胆道閉鎖症など肝臓・胆道の病気のサインのことがあります。下痢の有無や何日続いたかだけで判断せず、母子手帳の便色カードの1〜3番に近い便があれば、速やかに小児科へ相談・受診してください。便の写真や、袋に入れたおむつが参考になります。黄疸、濃い尿、哺乳不良などもあれば伝えてください。
嘔吐下痢のとき、お風呂は?家族にうつさないためには?個別Q&A
本人が元気であればシャワー程度はかまいませんが、湯船は家族への感染予防のため、控えるか最後に入るようにしてください。ノロ・ロタウイルスにはアルコール消毒が効きにくいため、嘔吐物やおむつの処理後は、石けんでの手洗いと、汚れを取り除いた床や物品を、用途に合う濃度に薄めた塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)で消毒することが有効です。漂白剤は手や体には使わず、換気し、他の洗剤と混ぜないでください。処理の際は使い捨て手袋とマスクを使いましょう。
胃腸炎は、いつから登園できますか?
嘔吐が止まり、下痢が落ち着いて(回数が減って軟便程度になり)、ふだん通りの食事がとれるようになれば登園できます。ウイルスは症状が治まった後も数週間は便に出続けるため、登園再開後も、おむつ替えやトイレの後の手洗いは丁寧に続けてください。登園許可証が必要かどうかは園によって異なりますので、園にご確認ください。
便秘で何日も出ていません。受診の目安は?個別Q&A
排便が週2回以下、コロコロの硬い便で出すときに痛がる・出血する、といった状態が続く場合は受診をおすすめします。硬い便を痛がって我慢する悪循環に入ると慢性化しやすいため、早めの治療が大切です。ご家庭では、水分と食物繊維をとる、朝食後にトイレに座る習慣づけが有効です。乳児の肛門刺激は、必要性と方法を医療者に確認してから行ってください。おなかが強く張る、吐く、強く痛がる場合は、便秘と決めつけず受診してください。
脱水症状かどうか、どこを見れば分かりますか?個別Q&A
次のサインがないか確認してください。①くちびるや舌が乾いている、②おしっこが明らかに減る・長時間出ない、量が少なく色が濃い、③泣いても涙が出ない、④顔色が悪く、皮膚の張りがない、⑤目がくぼんで、目つきがトロンとしている、⑥赤ちゃんでは頭のやわらかい部分(大泉門)がへこんでいるなどが重要なサインです。これらが当てはまる場合、特に水分を受けつけない・ぐったりしている場合は、早めに受診してください。
イオン飲料は、大人用と子ども用で何が違うのですか?
「子ども用」「大人用」という表示だけでは、糖分や電解質の量は判断できません。製品ごとに成分が異なり、子ども用のイオン飲料が経口補水液と同じ働きをするとは限りません。経口補水液は、嘔吐・下痢などに伴う脱水時の水分と電解質の補給を目的に組成が調整されています。対象となる状態は製品の表示を確認してください。脱水時は経口補水液を少量ずつ与え、飲めない・ぐったりする場合は受診します。健康なときの日常の飲み物として、経口補水液を常用するものではありません。
下痢のとき、母乳やミルクは薄めたり減らしたりしたほうがいいですか?
母乳はいつもどおり、制限せずに与えて大丈夫です。ミルクについては、以前は「薄めて与える」指導が一般的でしたが、現在は薄めずに通常の濃度で与えてよいとされています(薄めると必要なカロリーや電解質まで不足するためです)。1回量を少なめにして回数を分けると吐き戻しにくくなります。下痢が長引く、体重が減る、ぐったりする場合は受診してください。
下痢のとき、避けたほうがよい食べ物・飲み物はありますか?
糖分の多いジュースや炭酸飲料、脂っこいものを多量に与えることは避けてください。脱水が改善して食欲が戻れば、年齢に合ったふだんの食事を少量ずつ再開できます。乳製品や野菜を一律に除去したり、食事量を必ず3分の2に制限したりする必要はありません。母乳は続け、ミルクは通常の濃度で与えます。食べ物で下痢が悪化する、下痢が長引く、体重が減る場合は、食事調整の必要性を診察で相談してください。
おなかを痛がっています。家でできることと受診の目安を教えてください。
痛みが軽ければ、無理に食べさせず、水分を少しずつ与えて様子をみてください。原因が分からない強い腹痛では、おなかを強く押したり、マッサージや加温で様子をみ続けたりせず、受診してください。①おなかをかがめて痛がる・痛くて歩けない、②股のつけ根が腫れている、③嘔吐や高熱をともなう、④赤ちゃんが足を縮めて泣き、間隔をおいてまた激しく泣く(腸重積の疑い)⑤ぐったりして静かになった、といった場合は早めに受診してください。
数日排便がなくおなかを痛がります。市販の浣腸を家で使ってもいいですか?
便が出ない場合でも、腹痛の原因が便秘とは限りません。強い・続く腹痛、嘔吐、おなかの強い張り、血便、発熱を伴う場合は、自己判断で浣腸をする前に受診してください。便秘として医師から家庭での使用を指示されている場合は、その方法と量を守ります。市販の浣腸は製品ごとに使用できる年齢や量が異なるため、薬剤師・登録販売者に年齢と症状を伝え、表示を確認してください。使用後も痛みが続く、便に血が混じる場合は受診し、便秘を繰り返す場合は継続治療をご相談ください。
うんちに血が混じっていました。すぐ受診すべきですか?個別Q&A
原因の一つは、便秘や硬い便による肛門の切れ(裂肛)で、便の表面や拭いた紙に鮮やかな赤い血が少量つくのが特徴です。切れた部分からの少量の出血なら緊急性が低いこともありますが、便の見た目だけでは原因を確定できません。初めての血便や繰り返す出血は相談してください。一方、急いで受診が必要なのは、①いちごジャムのようなドロッとした血便+周期的に激しく泣く(腸重積の疑い・乳幼児)②黒っぽいタール状の便、③大量の出血、④高熱や嘔吐を伴う血便です。可能であれば、便のついたおむつや写真をお持ちいただくと診断に役立ちます。
うんちが緑色です。大丈夫でしょうか?
緑色の便は、元気で哺乳や便の性状がふだんどおりなら、正常な範囲のことが多いです。便の黄色いもと(ビリルビン)が空気や腸内で酸化すると緑色になるもので、母乳・ミルクのどちらでもよくみられ、色だけで病気かどうかは判断できません。注意が必要な便の色は3つで、①白っぽい・クリーム色(胆道の病気やロタウイルスの可能性)②黒いタール状(胃や腸からの出血)③赤い血が混じる便です。母子手帳の「便色カード」も参考になります。迷ったら、おむつごとお持ちいただくか写真をお見せください。
赤ちゃんのうんちの回数は、どのくらいが普通ですか?
個人差がとても大きく、母乳の赤ちゃんでは1日8回以上出る子もいれば、数日に1回の子もいて、どちらも機嫌や体重増加、便の状態に問題がなければ、正常な範囲のことがあります。回数そのものより、①機嫌、哺乳、体重増加が順調か、②便がやわらかいか、③血が混じっていないかを確認することが大切です。コロコロと硬い便は、便秘の可能性があります。数日出ない場合も、便の硬さや苦しさを含めて判断します。排便がなく気になるときは相談し、強い張り・嘔吐・哺乳不良があれば日数を待たず受診してください。肛門刺激は必要性と方法を医療者に確認してください。
授乳のたびに吐き戻します。ゲップも下手なようで心配です。
口の端から少量戻す「溢乳(いつにゅう)」は赤ちゃんによくみられ、元気で体重が順調に増えていれば経過をみられることが多いです。授乳後は起きて見守っている間に縦抱きにし、背中をやさしくさすってゲップを促します。出なくても長く無理に続ける必要はありません。眠るときは、吐き戻し予防のために傾斜をつけたり横向きに固定したりせず、硬く平らな寝床に仰向けで寝かせ、枕や丸めたタオルを置かないでください。噴水状に繰り返し吐く、体重が増えない、緑色のものを吐く場合は受診してください。
疲れた日や行事のあとに、何度も吐くことを繰り返します。自家中毒と言われました。
繰り返す嘔吐には、周期性嘔吐症などが考えられます。「自家中毒」と呼ばれることもありますが、空腹に伴うケトン体の増加と周期性嘔吐症がすべて同じ病態とは限りません。周期性嘔吐症の原因は十分には分かっておらず、疲労・興奮・感染・空腹などが発作のきっかけになることがあります。診断済みの場合は、発作時の補水や薬の使い方を担当医と決めておきます。規則正しい食事と睡眠を心がけ、長い空腹を避けましょう。飲めない、尿が減る、ぐったりする、いつもと違う強い腹痛がある場合は受診してください。
乗り物酔いがひどいです。予防法と薬について教えてください。
予防のコツは、①前日はしっかり睡眠、②空腹・満腹を避けて軽く食べておく、③進行方向を向いて遠くの景色を見る(車内での読書・スマホは酔いを誘発しやすい行動です)④換気とにおい対策、⑤「酔わないおまじない」など前向きな声かけ(不安が酔いを強くします)です。市販の酔い止め薬は、製品ごとに使用できる年齢・量・服用時刻が異なります。薬剤師・登録販売者に年齢を伝え、表示どおりに使ってください。眠気などの副作用にも注意します。酔いやすい体質は小学生ごろがピークで、成長とともに軽くなることがほとんどです。
病気のあと、食欲が戻りません。いつまで様子をみていいですか?
病み上がりには食欲の回復に時間がかかることがあります。水分がとれ、元気が戻り、体重減少などがなければ、食べやすいものを少量ずつ出して経過をみます。食事を無理に勧めすぎず、栄養と休養を少しずつ取り戻しましょう。食欲低下が長引く場合は相談してください。水分もとれない、体重が減る、元気がない、顔色が悪い、痛みや嘔吐を伴う場合は、1〜2週間といった日数を待たず受診してください。
胃腸炎は治ったはずなのに、下痢だけが2週間以上続いています。
胃腸炎のあと、腸の粘膜がダメージを受けて、乳糖(母乳・ミルク・牛乳に含まれる糖分)を分解する力が一時的に落ちる「二次性乳糖不耐症」の可能性があります。乳製品をとるたびに、酸っぱいにおいの水っぽい便が出るのが特徴です。診察で原因を確認し、必要に応じて乳糖の摂取量の調整、乳糖分解酵素や乳糖除去ミルクの使用を検討します。母乳やミルクを自己判断で中止・変更せず、回復までの栄養のとり方も相談してください。改善までの期間には個人差があります。体重が減っていないかの確認も大切ですので、長引く下痢は一度受診してください。
便秘を繰り返しています。薬を続けても大丈夫ですか?癖になりませんか?
お子さんの便秘治療の中心となる薬(酸化マグネシウムやポリエチレングリコール製剤などの浸透圧性下剤)は、便に水分を集めてやわらかくする薬で、腸を無理に動かす薬ではないため、癖になる心配はほとんどありません。むしろ、便秘を放置して「硬い便→痛い→我慢する→もっと硬くなる」の悪循環に入るほうが問題で、直腸が広がって便意を感じにくくなり、治療が長引きます。薬でやわらかい便を数か月続けて排便の習慣を立て直すのが標準的な治療です。自己判断で中断せず、減らし方は診察でご相談ください。
トイレトレーニングを始めてから、うんちを我慢するようになりました。
よくあることです。トイレで排便することへの不安や、以前に痛い思いをした経験から、うんちを我慢するお子さんは少なくありません。我慢が続くと便が硬くなり、排便時にさらに痛くなるという悪循環につながります。対策として、①一時的に「うんちはおむつでもよい」として心理的な負担を下げること、②足が床や台につく姿勢で座らせること、③排便できたら十分にほめること、④出なかった日も叱らないことが大切です。すでに便が硬く、痛がっている場合は、便をやわらかくする薬を使い、痛みのない排便を経験させることが悪循環を断つ助けになります。
白っぽい下痢が出ました。ロタウイルスでしょうか?個別Q&A
白っぽい下痢は胃腸炎でみられることがありますが、便の色だけでロタウイルスと診断することはできません。ワクチン接種後も感染することはあり、症状の程度には個人差があります。嘔吐・下痢では水分補給が大切で、飲めない、尿が減る、ぐったりする場合は受診してください。特に生後数か月の赤ちゃんの白い便は、胆道閉鎖症などのサインのこともあります。下痢や発熱の有無にかかわらず、便色カードの1〜3番に近い便があれば速やかに小児科へ相談・受診してください。
赤ちゃんが顔を真っ赤にしていきみ、うなっています。便秘でしょうか?
生後1〜3か月ごろの赤ちゃんが、うんちを出す前に顔を真っ赤にして泣いたりいきんだりし、出てみるとやわらかい便、というのはよくみられる状態です(「乳児排便困難」と呼ばれます)。いきむ力と肛門をゆるめるタイミングの協調がまだ未熟なために起こるもので、成長とともに自然に上手になります。便がやわらかく、哺乳・機嫌・体重増加が良好なら経過をみられることが多いです。毎回の肛門刺激が必要とは限りません。硬い便、排便時の痛み、排便がなく気になる場合は相談し、強い張りや嘔吐、哺乳不良があれば日数を待たず受診してください。
経口補水液を嫌がって飲みません。どうすればいいですか?
冷やした経口補水液をスプーンで少量ずつ与える、年齢や飲み込む力に合う経口補水液のゼリー製品を選ぶ、といった方法があります。製品の指示に従い、水やジュースで薄めたり混ぜたりせず使ってください。凍結を認めていない製品もあるため、自己判断で凍らせないでください。脱水の危険サインがなく、経口補水液を拒む場合は、母乳や通常の濃度のミルクなど飲めるものを少量ずつ与えながら医療者へ相談します。何も飲めない、尿が明らかに減る、ぐったりする場合は受診してください。補液方法は診察で判断します。
胃腸炎のとき、下痢止めや吐き気止めは使わないのですか?
小児の感染性胃腸炎では、腸の動きを強く抑える下痢止めを自己判断で使わないでください。症状や薬の種類によっては悪化や副作用の心配があります。治療の中心は経口補水などで脱水を防ぐことです。整腸剤を使うこともありますが、水分補給の代わりにはなりません。吐き気が強く水分がとれないときには、補水を助ける目的で吐き気止めを検討することがあります。薬の種類や必要性は、年齢と症状に応じて診察で判断します。
食事のたび、食べてすぐにうんちをします。消化が悪いのでしょうか?
食後の排便だけで、消化不良とは限りません。食べ物が胃に入ると、その刺激で大腸が動き出す「胃結腸反射」という体の正常な仕組みによるもので、この反射が活発な乳幼児では「食べるとすぐ出る」がよくみられます。出てくる便は、今食べたものではなく、前から腸にあったものです。便の状態がふだんどおりで、体重が順調に増えていれば、正常な反射の範囲であることが多いです。受診の目安は、便がいつも水っぽい・血が混じる・体重が増えない・食べても痩せてくる場合です。
硬いうんちで肛門が切れてしまいました。ケアの方法を教えてください。
ケアの柱は「傷の保護」と「便をやわらかくすること」の2つです。傷そのものは、お風呂で清潔にし、処方の軟膏(またはワセリン)を排便の前後に塗って保護すると、数日程度で治まることが多いです。しかし本当に大切なのは再発予防で、硬い便が続くかぎり同じ場所が切れ、「痛い→我慢する→もっと硬くなる」の悪循環に入ってしまいます。水分と食物繊維の工夫に加え、繰り返す場合は便をやわらかくする薬でしっかり痛みのない排便を続けることが、悪循環を断つ助けになります。切れる状態が続くときは、便秘の治療としてご相談ください。
牛乳が大好きで1日にたくさん飲みます。飲みすぎはよくないですか?
1歳以上の幼児では、食事や他の乳製品とのバランスをみて、牛乳は1日400mL程度(コップ2杯)を一つの目安にします。乳児の母乳・育児用ミルクに当てはめる量ではありません。意外に知られていませんが、牛乳の飲みすぎは幼児の鉄欠乏性貧血の代表的な原因です。牛乳には鉄が少なく、牛乳でおなかがいっぱいになると、鉄を含む食品など食事の摂取が減ることがあるためです。顔色が悪い・疲れやすい・氷をやたら食べたがる(氷食症)は貧血のサインのことがあります。牛乳自体はカルシウムの大切な供給源ですので、やめる必要はなく「適量まで」がポイントです。貧血が心配な場合は血液検査で確認できます。
泣いたときに、足の付け根がぽっこりふくらみます。これは何ですか?
そけいヘルニア(脱腸)の可能性が高い症状です。おなかの中と足の付け根をつなぐ袋状の通り道が閉じきらずに残り、泣いたりいきんだりして腹圧がかかると、腸などが袋に押し出されてふくらみます。自然に治ることは期待できず、基本的に手術で治す病気ですので、まず受診して診断をつけましょう(ふくらんでいるときの写真が役立ちます)。緊急事態は「嵌頓(かんとん)」——ふくらみが硬くなって戻らず、激しく泣き、嘔吐する状態で、腸が締めつけられています。この場合は夜間でもすぐ受診してください。診断がつき次第、小児外科へご紹介します。
赤ちゃんが、でべそです。治りますか?押し込んだほうがいいのですか?
赤ちゃんのでべそ(臍ヘルニア)は、おへその下の筋肉の輪がまだ閉じていないために腸が押し出されるもので、多くは1歳ごろまでに自然に治るとされています。通常は、泣いてふくらんでも痛みは目立たず、指で軽く押すと、グジュッと戻るのが普通です(ご家庭で指で押し込む必要はありません)。一方、医療機関では、専用の圧迫材を用いて早めに押さえる方法(圧迫療法)を行う場合があります。当院では、医師の診察と指導のもと、保険診療で圧迫療法を行っています。ご希望があればご相談ください。ふくらみが硬くなって戻らない・激しく泣く場合はまれな緊急事態ですので、すぐ受診してください。2歳を過ぎても残る場合や、大きい場合は手術のご相談となります。
便秘とおねしょは関係があると聞きました。本当ですか?
本当です。直腸(うんちの出口手前)に便がたまると、すぐ隣にある膀胱が圧迫されて容量が減り、膀胱が過敏になるため、おねしょや昼間のおもらし・トイレが近い症状の隠れた原因になります。夜尿症のお子さんの便秘を治療することで、おねしょが改善する例が報告されています(日本夜尿症学会「夜尿症診療ガイドライン」)。「毎日出ているから便秘ではない」とは限らず、少量ずつしか出ない・コロコロ便・出すときに痛がる場合は、たまっているサインです。おねしょのご相談の際は、うんちの状態も必ず聞かせてください。便秘があれば、夜尿症の治療とあわせて対応を検討します。
胃腸炎のあとの食事は、おかゆから少しずつ段階を踏むべきですか?
現在は、吐き気が落ち着いて食欲が出てきたら、水分の状態を確認し、年齢に合ったふだんの食事を再開します。何日もかけておかゆなどの段階食に限定する必要はありません。脂っこいもの・香辛料など極端なものを避ければ、ごはん・うどん・パン・バナナ・おかず類も食べたがるなら与えて構いません。母乳・ミルクも薄めず通常どおりで結構です。ポイントは「本人の食欲に任せ、無理強いも我慢もさせない」ことです。再び吐いた場合は、吐き気が落ち着いてから少量の補水に戻し、飲めない・尿が減る・ぐったりする場合は受診してください。
赤ちゃんに白湯や麦茶は、いつから・どのくらい飲ませるものですか?
離乳食が始まるまでは、白湯や麦茶をあえて飲ませる必要はありません。健康で十分に飲めている赤ちゃんでは、通常は母乳・ミルクで水分も補えており、お風呂上がりや暑い日も、母乳・ミルクを飲ませれば十分です(低月齢で白湯を多く与えると、必要な栄養やミネラルのバランスを崩すことさえあります)。麦茶や白湯の出番は、離乳食が始まる生後5〜6か月ごろから、食事の際やマグ・コップの練習として少しずつで十分です。カフェインを含む緑茶・紅茶・ウーロン茶は避け、イオン飲料を日常の水分にするのも糖分の面でおすすめしません。
朝、登園(登校)前になると「おなかが痛い」と言います。仮病でしょうか?
仮病と決めつけないであげてください。子どもは、緊張やストレスが実際に「本当の腹痛」として体に出ます(脳と腸は神経で密接につながっており、これを脳腸相関といいます)。朝に起こる腹痛では、まず、①便秘がないか、②園や学校へ行きづらくなるような負担がないかを確認します。ストレスが関係している場合は、休みの日には痛みが出にくいことがあります。まず身体の病気(便秘・その他)をきちんと除外することが、本人の「信じてもらえた」という安心にもつながります。責めずに、痛みの記録(時間・トイレとの関係・休日との差)をつけて受診してください。
「おへその周りが痛い」を何か月も繰り返します。検査したほうがいいですか?
繰り返す腹痛は一度ご相談ください。学童期の「おへそ周りの痛みを繰り返すが、しばらくすると元気に遊ぶ」パターンの多くは、便秘・機能性の腹痛(腸の知覚が敏感な体質)・ストレス関連で、命に関わる病気はまれです。ただし、痛みで夜中に目が覚める、体重が減る・成長が滞る、血便や繰り返す嘔吐がある、発熱を伴う、おへそから離れた一定の場所をいつも痛がるといった危険サインがある場合は、検査を進めます。当院では診察のうえ、必要に応じて尿・血液の検査を行い、画像検査が必要な場合は対応可能な医療機関へご紹介し、診察や経過から機能性の腹痛などが考えられる場合は、痛みと付き合うコツもお伝えします。
虫垂炎(盲腸)は、どんな症状で疑えばいいですか?
典型的な経過は、「みぞおち・おへそ周りの痛み→数時間かけて右下腹部へ移動→歩く・ジャンプすると響く」で、微熱・吐き気・食欲低下をともないます。動くと痛みが響くことは受診の目安ですが、確認のために無理にジャンプさせる必要はありません。ただし、これだけで虫垂炎かどうかを判断することはできません。また、小さいお子さんほど症状が典型的でなく、「なんとなく元気がない・おなか全体を痛がる」だけで進行し、穿孔(破れること)まで至りやすいため、注意が必要です。腹痛が数時間たっても軽くならず右下に集まってくる、歩くのを嫌がる、という場合は、夜間でも受診してください。治療は病状により抗菌薬や手術などを検討します。早期でも治療法は一律ではなく、受診を遅らせないことが大切です。
ビー玉やおもちゃの部品を飲み込みました。便から出るのを待っていいですか?
飲み込んだ物の材質・大きさ・個数と、お子さんの年齢や症状で対応が変わります。小さく見える物でも、自己判断で便に出るのを待たず、まず医療機関へ相談してください。ボタン電池、磁石、とがった物、何を飲んだか分からない場合は、症状がなくても急いで受診が必要です。むせ、よだれ、胸やおなかの痛み、飲み込みにくさがある場合もすぐ受診してください。呼吸ができない・声が出ない場合は119番です。吐かせたり、食べ物で押し流そうとしたりせず、同じ物や包装があれば持参します。便での確認でよいか、画像検査や取り出す処置が必要かは診察で判断します。
便が細くて少しずつ何回も出ます。下着に便がつくこともあります。
意外に思われるかもしれませんが、これは「ひどい便秘」のサインの可能性があります。直腸に大きく硬い便のかたまりが居座ると、その脇をやわらかい便が細く少しずつすり抜けて出たり、気づかないうちに下着に漏れたり(遺糞)します。本人は出し切れていないため、食欲低下や腹痛、わざとではない「うんちのおもらし」につながり、叱られてしまうお子さんも少なくありません。治療は、まずたまった便を薬でしっかり出し切り、そのあと便をやわらかく保つ薬で直腸のサイズ感覚を回復させる、という手順で行います。叱っても解決しない状態ですので、ぜひ受診してください。
吐いている子を寝かせるときの姿勢は、どうすればいいですか?
実際に吐いている間はそばで見守り、吐いたものが口の外へ流れるように顔や体を横へ向けて介助します。意識がはっきりしない場合はすぐ119番へ連絡してください。嘔吐がおさまり、普段どおりに呼吸している乳児を通常の睡眠につかせるときは、硬く平らな寝床で仰向けにします。吐き戻しを防ぐ目的で、横向きに固定したり、寝床に傾斜をつけたり、顔の下や背中にタオル・クッションを置いたりしないでください。袋やタオルなどの片付け用品も、乳児の寝床の外に置きます。繰り返し吐いて飲めない、緑色の嘔吐、ぐったりする場合は受診してください。
お刺身やお寿司などの生ものは、何歳から食べさせていいですか?
生ものには食中毒の危険があり、「何歳になれば安全」と一律に保証することはできません。子どもには十分に加熱した食品を選ぶほうが食中毒予防につながります。鮮度がよくても病原体や寄生虫の危険がなくなるわけではなく、肉・魚・卵などは食品に合った方法で中心まで加熱してください。イカ・タコ・貝類などは、加熱してもかみにくい場合があるため、発達に合う食材や大きさを選びます。生卵を3歳以降ならよいとする一律の案内はできません。なお、はちみつは乳児ボツリヌス症予防のため、1歳未満には与えないでください。
便秘で、浣腸(かんちょう)を使うと、くせになりませんか?薬に頼らず治したいのですが。
浣腸は、直腸にたまった便を出すために使う処置です。毎日の便をやわらかく保つ内服薬とは役割が異なります。便秘では「硬い便→痛い→我慢する→さらに硬くなる」という悪循環を断つため、まずたまった便を出し、その後は必要に応じて内服薬や生活調整を続けます。浣腸は使っただけで必ずくせになるものではありませんが、自己判断で繰り返すのではなく、使う量・頻度・方法を医師と相談してください。強い腹痛・嘔吐・出血があるときは、使用前に相談・受診します。便をやわらかくする浸透圧性下剤は習慣性が生じにくいとされていますが、副作用や減量の時期を確認しながら使います。食事・水分・排便習慣もあわせて整えます。
赤ちゃんが、急に、激しく泣いては、泣きやむのを繰り返し、いちごゼリーのような、便が出ました。
すぐに受診してください(夜間でもためらわないでください)。その症状は「腸重積(ちょうじゅうせき)」という腸の一部が隣の腸にはまり込んで二重になってしまう緊急の病気を強く疑わせるものです。生後半年〜2歳ごろの赤ちゃんに多く①急に火がついたように激しく泣く→ぐったり→また泣くを周期的に繰り返す(はまり込んだ腸が痛むためです)②「いちごジャム」「いちごゼリー」にたとえられる粘液の混じった血便、③嘔吐が特徴的なサインです。血便などの症状がすべてそろうまで待つ必要はありません。この病気は時間が経つほどはまった腸が傷んでしまうため、早い対応がとても重要です。早い時期であれば、手術をせずに圧力をかけて腸を押し戻す処置(整復)で治療できることが多く、時間が経つと手術が必要になることがあります。「周期的に激しく泣く」「いちごゼリーの便」は腸重積の危険なサインとして覚えておいてください。少しでも疑ったらすぐに受診してください。
吐いてばかりで、水分も受けつけません。家で、どうやって、水分を、とらせればいいですか?
吐き気が落ち着いたところで、経口補水液をスプーン1杯(約5mL)ずつ、5分おきなど少量・頻回に与えてください。吐かなければ徐々に量を増やします。長時間、一律に水分を止める必要はありません。製品の指示の範囲で冷やすと飲みやすいことがありますが、薄めたりジュースを混ぜたりはしないでください。少量でも吐いて飲めない、尿が明らかに減る、ぐったりする、緑色のものを吐く、強い腹痛や血便がある場合は受診してください。特に乳児では、半日といった時間を待たずに相談します。
子どもの便秘に効く食べ物・食事の工夫を教えてください。
食事面では、まず十分な水分をとることが大切です。水分は腸の動きを助け、便をやわらかくします。離乳食開始前の乳児は母乳・ミルクが基本です。離乳食開始後は年齢に応じて水や麦茶も使い、1歳以上では食事とのバランスをみて牛乳を利用できます。食物繊維を含む野菜、果物、豆類、いも類などを、無理のない範囲で少しずつ増やしてください。ヨーグルトやみそなどの発酵食品が合うお子さんもいます。ただし、食物繊維を急に大量に増やすと、ガスが増えておなかが張る場合があるため、少しずつ取り入れてください。また、牛乳を多く飲むことで、便秘が悪化するお子さんもいます。飲む量が多い場合は、1歳以上の幼児では1日400mL程度を一つの目安として見直してみてください。食事を工夫しても改善しない場合は、薬による治療が必要なこともあります。毎日便が出ていても、量が少ない、便が硬い、排便時に痛がる場合は、便秘の可能性があります。食事と治療を組み合わせながら、無理なく排便のリズムを整えていきましょう。
周期的に、激しい嘔吐を繰り返します。「自家中毒(周期性嘔吐症)」と言われましたがどんな病気ですか?
周期性嘔吐症は、似たパターンの強い嘔吐発作を繰り返し、発作の間は比較的元気に過ごす病気です。「自家中毒」と呼ばれることもありますが、嘔吐や空腹に伴うケトン体の増加だけで診断できるものではありません。原因は十分には分かっておらず、疲労・興奮・感染・空腹などがきっかけになることがあります。発作時の補水や薬について、担当医と対応を決めておきましょう。飲めない場合は受診し、点滴などの補液が必要か判断します。規則正しい睡眠・食事、長い空腹を避ける工夫が対策になります。経過には個人差があり、成長すれば必ず治るとは言えません。繰り返す場合は他の原因も確認します。
子どものおならやお腹の張りがひどいです。病気でしょうか?
食事や便秘、飲み込んだ空気などで起こることがありますが、症状の程度や経過で判断します。腸内でのガスは、飲み込んだ空気と、腸内細菌による食物の発酵から作られ、子どもでも大人と同じように発生します。おならの回数が多い・お腹が張る、の主な原因は①空気の飲み込みすぎ(急いで食べる・炭酸飲料・泣いたり叫んだりする)②特定の食品(豆類・キャベツ・さつまいも・乳製品など)③便秘(便がたまるとガスがたまりやすい)④腸内環境のバランスが乱れていることです。便秘の解消が改善につながることが多いため、便通の状態をまず確認してください。一方、お腹が板のように硬く張る・便やおならが出ず張りが強い・激しい腹痛・血便をともなう場合は、緊急の対応が必要なことがあります。原因に応じて、食べ方の工夫や便秘治療を検討します。食品や整腸剤だけで改善すると決めつけず、症状が続く場合はご相談ください。
最近食欲がなく、あまり食べません。体重も増えていないか心配です。
まず「成長曲線上でどこにいるか」を確認しましょう。お手元の母子手帳の成長曲線に、今の体重・身長を書き込んでみてください。これまでの経過に沿って身長・体重が伸びているかは、判断材料の一つです。食欲には幅があり、食べる量が日によって変わることもあります。元気や成長に加え、食事内容の偏りや飲み込みにくさなども確認します。気になるのは①これまでよく食べていたのに、急に食べなくなった、②体重が横ばいまたは減っている、③元気がない・ぐったりしている、④食べると痛がる・吐く、という場合です。「食べないのに元気」は多くの場合、心配の少ないサインです。逆に「食べないし元気もない」は受診が必要です。偏食・少食で栄養のバランスが心配な場合は、食事内容の工夫と必要なら栄養補助食品をご提案します。成長曲線の確認を一緒に行いますので、母子手帳をお持ちください。
よだれがとても多いです。病気でしょうか?いつごろ落ち着きますか?
よだれが増えることは成長の過程でよくみられますが、飲み込みや呼吸の状態も確認します。赤ちゃんのよだれは生後3〜4か月ごろから増え始め、歯が生え始める生後6か月ごろに多くなり、飲み込む力が発達する1歳半〜2歳ごろには落ち着いてくることが一般的です。よだれが多いのは、唾液の分泌が増える一方で、まだ上手に飲み込めないためです。歯が生える刺激も関係します。首まわりのかぶれを防ぐため、よだれかけをこまめに替え、肌を清潔にして保湿してください。年齢にかかわらず食事でよくむせる、2歳以降もまったく落ち着かない、発達面の心配を伴う場合は、飲み込みの機能を確認したほうがよいことがありますので、ご相談ください。
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本文確認:2026-09-07 / 表示調整:2026-09-15