体と心の健康を支える 大切な睡眠 ぐっすり眠れる毎日へ
いびき・睡眠時無呼吸症候群で
お悩みの方へ。
自宅での簡易検査からCPAP療法、耳鼻科的な治療まで
くさの耳鼻咽喉科・小児科が一貫してサポートします。
ひとつでも当てはまれば
睡眠時無呼吸症候群
かもしれません
睡眠時無呼吸症候群とは
健康の三要素は、食事・運動・睡眠であると言われていて、人生の約3分の1を「眠り」の中で過ごしています。
「いびきがひどいと言われる」「睡眠中に息が止まっていると言われる」「朝すっきり起きられない」「日中眠くて集中できない」「睡眠中にあえぎ呼吸をしていると言われる」「睡眠中に窒息感で目覚める」ことはないですか?このような症状の方に、睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome, SAS)の人がいます。
SASは、睡眠中に呼吸が止まったり、弱くなったりする状態の総称です。この状態が続くと睡眠の質が低下し、体や脳が十分に休めません。その結果、日常生活の質も低下します。集中力や記憶力が低下し、交通事故や作業ミスの原因となりえます。実際に、日本ではSASが関与した重大な交通事故が報告されています。また、生活習慣病のリスクも高まり、高血圧、脳血管障害、心臓病、糖尿病、うつ病、認知症との関連も指摘されています。
睡眠は単なる休息ではなく、体と心の健康を支える大切な土台です。「よく眠る」ことは、より良く生きるための基本といえるでしょう。そのため、SASの早期発見と適切な治療がとても重要です。
耳鼻咽喉科で
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を治療するメリット
SASの多くは、上気道(鼻からのど)の構造や状態が関係しています。そのため、適切な治療法をみつけるためには、上気道を専門とする耳鼻咽喉科専門医による診療が重要です。SASが心配な方は耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。
SASで最も多いのは閉塞性睡眠時無呼吸です。これは、眠っている間に上気道(鼻からのど)がふさがることで起こります。医学的には閉塞性睡眠時無呼吸を用いるのが妥当ですが、当院のページでは、一般的に広く知られている睡眠時無呼吸症候群(SAS)を用います。
SASの疫学
日本におけるSAS潜在患者数は約940万人で、2022年時点における推定のCPAP患者数は約73万人と言われています。まだSASの8%程度しかCPAP療法を行っていないことになります。
SASの有病率は年齢とともに増え、とくに働き盛り以降の男性に多くみられます。女性では閉経前は少ないものの、加齢に伴い増加し、閉経後は男性と同等の有病率になります。これは、女性ホルモンの減少が気道の筋肉や呼吸の調整に影響するためと考えられています。
SASは、首まわりが太い・肥満の人がなりやすいです。首の脂肪や気道の周辺の筋肉によって圧迫され、気道が狭くなるためです。また、鼻づまり、下あごが小さい人、口蓋扁桃(扁桃)が大きい人もなりやすいです。鼻やのどの空気の通り、すなわち上気道が狭くなるためです。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・診断
SASの簡易検査
SASの有無を調べるためには検査が必要です。簡易検査は、当院から貸し出される機器を用いて自宅で行います。2~3個のセンサー がついた機器を自分で装着して、睡眠中の呼吸の状態や血中の酸素飽和度などを測定します。簡易検査は、病院に入院せずに自宅で実施できる点が大きなメリットです。重症度の正確な評価が難しい場合は、より詳しい精密検査をお勧めすることがあります。
SASの精密検査
睡眠ポリグラフ検査(PSG)はSASの精密検査です。睡眠中の脳波、呼吸、心拍、動脈血中酸素飽和度、体の動きなどを測定・記録します。PSGでは、簡易検査よりも詳しい情報を得ることができ、無呼吸の原因や、その他の睡眠障害の有無を調べることができます。簡易検査で「結果の判定が難しい」「十分なデータが得られなかった」といった場合にPSGが勧められます。
SASの重症度分類
SASの重症度はAHI(Apnea‐Hypopnea Index)で表します。
AHIとは上記の簡易検査や精密検査で得られ、1時間に呼吸が止まったり(無呼吸)、弱くなったり(低呼吸)する回数です。この数値が多いほど、SASは重症です。
AHIに基づいたSASの適切な治療
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療
CPAP療法
CPAP(シーパップContinuous positive airway pressure)は持続陽圧呼吸と呼ばれる治療法で、中等症から重症のSASに対する代表的な治療です。就寝時にマスクを装着し、CPAP装置からホースとマスクを通して陽圧の空気を持続的に気道に送ることで、上気道がふさがらないようにします。
無呼吸
軌道がふさがってしまい、一定時間以上呼吸が止まってしまう。
CPAP
鼻から空気を送り込み、軌道がふさがってしまうのを空気圧によって防ぐ。
CPAPに期待される効果
CPAPを適用した患者で、無呼吸・低呼吸・いびきの軽減・消失、低酸素状態の改善、睡眠の質の向上や日中傾眠が解消し、生活の質(QOL)が改善されたという報告がされています。
CPAPによる影響
CPAPを適用した患者で、SASの合併症の改善、交通事故リスクの軽減、脳出血、心筋梗塞のリスクが減少し、死亡率を低下させたとの報告がされています。
口腔内装置(マウスピース)による治療
就寝中に上下の歯の間にマウスピースを装着して、下あごを少し前に出した状態で保つことで、舌がのどの奥に落ち込むのを防ぎ、上気道を広げます。軽症のSASの方にお勧めされ、必要な場合は歯科をご紹介します。
自分でできること(セルフケア)
減量
肥満はSASを悪化させます。適正な体重を保つことが効果的です。減量で首まわりの脂肪が減ることで気道が広がり、SASの改善が期待できます。
減酒
アルコールは、のどの筋力を低下させ、SASを起こしやすくします。寝酒は避け、飲酒量を控えることが大切です。
体位療法
仰向けで寝ると重力の影響でのどが縦方向に落ち込み、気道が閉塞しやすくなります。横向きで寝ると、のどが落ち込みにくくなるので、横向き寝を促す体位療法が有効です。
睡眠薬や抗不安薬の制限
中枢神経系を抑制する薬剤は、上気道の筋力を弱くするためSASが悪化します。とくにベンゾジアゼピン系の薬剤はその作用が強いため制限が必要です。気になる方は専門医に相談しましょう。
禁煙
喫煙は血中酸素濃度を低下させて、のどの炎症をおこし、SASを悪化させやすくします。
耳鼻咽喉科だからできる
睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療
CPAPを処方するだけではありません。
鼻やのどを直接みて、空気の通り道を詳しく調べことができます。上気道が狭いと空気の通りが悪くなり、いびきやSASの原因になります。上気道の専門家である耳鼻咽喉科専門医では、上気道のどの部分が狭くなっているかを確認します。のどの奥や舌、口蓋扁桃、軟口蓋の形や位置も確認し、空気の通り道が狭くなっている部位を見つけます。鼻については、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻中隔彎曲症など、鼻づまりについての病気を詳しく調べます。これらの診察と検査の結果をもとに、患者様に適した治療法を判断します。
耳鼻咽喉科で行う主な診察や検査
- 上気道(鼻からのど)のどこが狭くなっているかを確認します。
- 視診:口蓋扁桃、舌の大きさや、鼻中隔彎曲症の有無などを確認します。
- 鼻咽腔内視鏡検査:内視鏡を使って上気道を観察します。アデノイドや副鼻腔炎や鼻中隔彎曲症の有無などを確認します。
- 鼻腔通気度検査:鼻の通りやすさ、鼻づまりの程度を客観的に評価します。CPAPの使いやすさや、鼻の手術適応の指標となる検査です。
- 画像検査(単純レントゲン、CT):必要に応じて、副鼻腔炎などの有無などを確認します。
- 血液検査:必要に応じて、ハウスダストやダニ、スギ、ヒノキ花粉などのアレルギーの有無を調べ、鼻閉の原因がアレルギーによるものかどうかを明らかにします。
鼻の治療の重要性
鼻がつまると口呼吸になり、舌がのどの奥に落ち込みやすくなるためSASが悪化します。また、CPAPを行う際にも、鼻づまりがあると不快感や空気漏れ(リーク)が生じやすく、治療を続けにくくなります。そのため、鼻の治療で空気の通りを良くすることで、睡眠中の無呼吸が軽減するだけでなく、CPAPをより快適に続けられるようになることが期待されます。
鼻づまりの原因には、アレルギー性鼻炎、鼻中隔彎曲症や副鼻腔炎などがあります。原因に応じた治療を行うことが、SASの改善につながります。
鼻の手術
症状が続く鼻づまりや、薬が効きにくい鼻づまりは、手術による治療が選択されることがあります。
- 鼻づまりを改善する手術
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- a下甲介粘膜レーザー焼灼術・・・当院で行える日帰り手術
- b鼻中隔矯正術・・・左右の鼻の穴の中央にある壁の曲がりを直す手術
- c粘膜下下甲介手術・・・下鼻甲介を減量する手術
- d内視鏡下鼻副鼻腔手術・・・慢性副鼻腔炎に行う手術
- くしゃみや鼻水を改善する手術
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- e後鼻神経切断術・・・鼻水の分泌を調整する神経の一部を切断する手術
aは当院で行う日帰り手術です。
b~eは入院して全身麻酔で行う手術ですので、総合病院の耳鼻咽喉科にご紹介します。
鼻の手術がCPAPを継続使用する効果
鼻の手術は、寝つきを改善し、睡眠の質を高める効果があります。また鼻づまりが原因でCPAPが使用できなかった方が、鼻の手術によってCPAPが可能になることがあります。AHIの改善は限定的ですが、鼻づまりが解消すると、日中の眠気が軽くなり、心身の活動性が向上します。
のどの手術
口蓋扁桃が極端に大きい時には口蓋扁桃摘出術を行う時があります。重度では手術だけでは不十分で、CPAPとの併用が必要になることもあります。
初診時からCPAP開始までの具体的な流れ
当院を初めて受診した2~5日くらい後に(土日祝日などが入ると時間がかかります)、ご自宅に簡易検査キットが配送されますので、患者様が検査を行いたい日の就寝時にご自宅で検査を行い、5日以内に返送してください(配送されてきたものに返送に必要な全てが準備されており、着払いとなっています)。
それから、こちらで検査結果を解析して、当院を受診していただき、検査結果をお伝えしてCPAPの適応があれば、実際にCPAPが開始となります。初診時からCPAPが実際に開始するまでに3~4週間程度を要します。
簡易検査でCPAPの適応が得られなければ、入院して精密検査PSGを行い、CPAPの適応があればCPAPが開始となります。
CPAP療法の費用
全てが健康保険に適用されます。
- 初回受診時
- 診察を行い、上気道(鼻からのど)の構造や状態を詳しく観察し、鼻腔通気度(鼻の通り具合)を確認します。自宅で行うSASの簡易検査料やその判断料も含めて、健康保険が3割負担の方で約7000円になります。その他の検査も必要な場合はご提案することがあります。
- ひと月あたりのCPAP治療費
- 健康保険が3割負担の方で約5,000円です。
- 入院精密検査PSG
- 1泊2日の検査入院費用は、おおよそ30,000円ですが、施設によって異なります。
(簡易検査でCPAPの適応があれば、入院精密検査PSGは不要です。)◉入院精密検査PSGをご提案する医療機関さま
新武雄病院さま(武雄市)、織田病院さま(鹿島市)、嬉野医療センターさま(嬉野市)、山元記念病院さま(伊万里市)、古賀病院さま(江北町)、白石共立病院さま(白石町)、公立佐賀中央病院さま(多久市)、唐津赤十字病院さま(唐津市)、佐賀大学医学部附属病院さま(佐賀市鍋島)、佐賀中部病院さま(佐賀市兵庫)など
耳鼻咽喉科で
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を治療するメリット。
SASの多くは、上気道(鼻からのど)の構造や状態が関係しています。そのため、適切な治療法をみつけるためには、上気道を専門とする耳鼻咽喉科専門医による診療が重要です。SASが心配な方は耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。耳鼻咽喉科では、鼻やのどを直接みて、空気の通り道を詳しく調べことができます。上気道が狭いと空気の通りが悪くなり、いびきやSASの原因になります。
のどの奥や舌、口蓋扁桃、軟口蓋の形や位置も確認し、空気の通り道が狭くなっている部位を精密検査で見つけ、必要であれば手術療法のご提案ができます。
鼻については、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻中隔彎曲症など、鼻づまりについて精密な検査、適切な治療(薬物療法や手術療法)を行い、CPAPを快適に続けられるようにサポートします。
上気道の専門家である耳鼻咽喉科専門医が総合的に判断して適切に睡眠時無呼吸症候群を治療します。
早めの耳鼻咽喉科受診が大切です。SASは、眠っている間に呼吸が止まり、気づかないうちに全身の健康に影響を及ぼす病気です。いびきや日中の眠気、疲労感といった小さなサインを見逃さずに早めに受診することで、健康寿命を守ることができます。
参考資料:「ぐっすり眠るために知っておきたい 睡眠時無呼吸症候群の話」日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 睡眠呼吸障害診療検討ワーキンググループ制作