みみ・はな・のどの専門医。佐賀県武雄市のメリーランド武雄内の「くさの耳鼻咽喉科・小児科」の風邪診療のご案内サイトです。

風邪と思ったら…内科・小児科? or 耳鼻咽喉科?

患者様からよく聞く質問があります。「風邪かなと思って病院を受診するとき、耳鼻咽喉科と、内科や小児科どちらを受診するのがよいでしょうか?」

結論を先にお伝えすると「風邪かなと思って病院を受診するときは耳鼻咽喉科がよい」と思います。

その理由を簡単に言いますと、風邪かなと思って病院を受診しても、ウイルス性の風邪よりも重篤な病気が起こっていて命を脅かすことがあるからです。その重篤な病気を的確に診断し治療できるのが耳鼻咽喉科です。

今からその理由を詳しくお伝えします。
2017年に厚生労働省が発行した「抗微生物薬適正使用の手引き 第一般」や日本鼻科学会が発行した「急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン」、日本耳科学会が発行した「急性中耳炎診療ガイドライン」などを基に考えてみたいと思います。
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風邪とは…?

風邪とは…?

一般的には聞きなれない言葉かと思いますが、風邪の症状を示す言葉を『感冒』と言います。感冒とは「抗微生物薬適正使用の手引き」によると以下のように記載されています。
感冒とはウイルスが原因のいわゆる風邪のことです。感冒の症状は、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、痰や咳です。これらの症状が同時に同じ程度あるときは感冒のことが多いです。一般的には症状が出てから3日前後を症状のピークとして、7~10日間で軽くなっていくと言われています。 この記載から考えると、症状が出てから1週間以上症状が改善せずに続くときは、ウイルスによるものから細菌感染に移行しているかもしれないと考えた方がよい場合があります。また、感冒の症状が一旦軽くなってきていたのに、また悪化したときは細菌感染が起こっているかもしれないと考えた方がよい場合があります。
もちろん、症状が出て1週間以内(数日以内)でも細菌感染が起こっていることもしばしばあります。
01:急性副鼻腔炎02:急性咽頭炎03:急性気管支炎などです。
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感染症の種類

風邪以外の感染症

  • 01:急性副鼻腔炎(⇒この病気の事を詳しく知る)

    のどの痛みや痰や咳は軽くて、鼻水、鼻づまりだけが特にひどい時には急性副鼻腔炎が疑われます。
    元々、アレルギー性鼻炎がある方が、アレルギー性鼻炎のない方と同じ感冒にかかると、アレルギー性鼻炎がある方の方が急性副鼻腔炎までなりやすいです。元々、アレルギー性鼻炎がある方が感冒にかかったかなと感じた時は耳鼻咽喉科を受診した方がよいです。

    急性副鼻腔炎を適切に治療しないと、急性中耳炎の原因となったり、視神経に炎症がおよんで目が見えなくなる可能性があったり、脳に炎症がおよんでして意識障害を生じる可能性があります。

    • 急性副鼻腔炎

  • 02:急性咽頭炎(⇒この病気の事を詳しく知る)

    鼻の症状や痰や咳は軽くて、のどの痛みがとても強い時には急性咽頭炎が疑われます。
    同じような症状で、急性咽頭炎より重症な病気も存在します。急性扁桃炎、扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍、深頸部膿瘍、急性喉頭蓋炎です。
    急性扁桃炎は内科で治療して治ることもありますが、急性扁桃炎が悪化して、扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍、深頸部膿瘍、縦隔膿瘍(のどにある膿が心臓の周囲まで落ちていきます)となることもありえます。縦隔膿瘍まで進むと命を落とす可能性があります。
    急性喉頭蓋炎も声帯のふたである喉頭蓋という場所が腫れて、窒息死する可能性があります。そのような病気になると、最初はのどの痛みだったけど、最終的に命を落とすこともあります。

    内科や小児科の先生は、口蓋垂(のどちんこ)や扁桃までは見られると思いますが、鼻の中や奥、のどの奥や声帯まで見る事はほとんどないのではないでしょうか。内科や小児科で急性扁桃炎を治せることがあると思いますが、扁桃周囲膿瘍、深頸部膿瘍、急性喉頭蓋炎は耳鼻咽喉科でなければ診断および治療は難しいです。

    「抗微生物薬適正使用の手引き 第一般」にも急性咽頭炎がなかなか治らない場合は、専門医に相談しなさいと記載されています。この「専門医」とは耳鼻咽喉科のことです。そうであるのであれば、最初から耳鼻咽喉科を受診した方がよいのではないでしょうか。

    • 急性扁桃炎

    • 扁桃周囲膿瘍

    • 急性喉頭蓋炎

  • 03:急性気管支炎

    鼻の症状やのどの痛みが軽いのに痰や咳がとてもひどい時には急性気管支炎が疑われます。
    鼻の症状やのどの痛みはほとんどなく痰や咳のみの時は、呼吸器内科や小児科を受診するのがよいと思います。急性気管支炎や肺炎の可能性があるからです。
    しかしながら、鼻水、鼻づまりの鼻症状は感じなくても、鼻水が喉におちる後鼻漏が痰や咳の原因となることがあります。また、内視鏡で鼻の奥を観察して実際に後鼻漏があるのに、症状として全く感じない患者さまもいらっしゃいます。そうなってくると、痰や咳が主な症状でも、急性副鼻腔炎の可能性がありますので、まずは耳鼻咽喉科を受診した方がよいかなと思います。
    感冒症状で耳鼻咽喉科を受診して、急性気管支炎や肺炎などが疑われる時は、耳鼻咽喉科のドクターが呼吸器内科や小児科を受診してみるように勧めてくれると思います。

    • 後鼻漏

風邪と思って病院を受診しても、ウイルス性の感冒よりも重篤な病気が起こっていて、命を脅かすかもしれないですね。その感冒よりも重篤な病気を的確に診断し治療できるのが耳鼻咽喉科です。
<ウイルス性の感冒でも耳鼻咽喉科へ>
基本的にインフルエンザ以外のウイルスによる感冒に対する特効薬はありませんので自分の免疫力で治すしかありません。しかしながら、感冒の症状も耳鼻咽喉科で処方する薬で軽減する事ができます。また、耳鼻咽喉科クリニックで行う鼻や喉の炎症を抑える処置やネブライザー治療(※1)は耳鼻咽喉科以外で行う事はあまりありませんので、ウイルスによる感冒も耳鼻咽喉科の方が早く治まる可能性が高いのではないでしょうか。

【ネブライザー治療】
霧状の薬剤を鼻・口から吸入することによって患部に直接薬を当てるものです。ネブライザーを行うことにより患部に効率よく薬を作用させることができます。そのためつまった鼻の通りを良くし、鼻汁を出しやすくしたり、鼻腔粘膜の腫れなどを鎮めます。

風邪かなと思ったら、まずは耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします!
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診療の取り組み

診療の取り組み

当院では必要に応じて、内視鏡診療を行っていますので鼻や喉の奥までを実際に見る事ができますし、副鼻腔レントゲン検査副鼻腔CT検査を行っています。
感冒なのか、急性副鼻腔炎や急性咽頭炎なのか、もっと重篤な病気なのかを、いち早く的確に判断することができます。いち早く発見できるということは、早く治りやすく悪化しにくいということです。
左より電子ファイバースコープ、光学ファイバースコープ、鉗子付きファイバースコープ

左より電子ファイバースコープ、光学ファイバースコープ、鉗子付きファイバースコープ

耳鼻科用CT

耳鼻科用CT

重篤な病気である急性扁桃炎、扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍、深頸部膿瘍、急性喉頭蓋炎、重症の急性副鼻腔炎などを的確に診断して治療することができます!
感冒と思われる時は、もちろん抗生剤を処方しませんが、細菌感染がある時は、抗微生物薬適正使用の手引きや、急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン、急性中耳炎診療ガイドラインなどに沿って、きちんと抗生剤を使用します。
内科や小児科の先生から「耳鼻科の先生は抗生剤をよく処方するから…」と耳にすることがありますし、それを聞いた患者様からも同じような事をお聞きする事があります。
耳鼻咽喉科のドクターが抗生剤を出す頻度が多いと感じる理由は、抗生剤が必要な病気(や、その重症度)をいち早く発見しているからだと思います。耳鼻咽喉科のドクターも不必要な抗生剤を使用しませんが、必要な時に適正に処方しないと病気が悪化して、より重篤な状態になることを身にしみて分かっているからです。
昔より「風邪は万病の元」と言われます。
耳鼻咽喉科特有の病気は風邪をきっかけとして起こる事がとても多いです。
さまざまな観点から考えて、「風邪かなと思って病院を受診するときは耳鼻咽喉科がよい」と思います。
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診療順番予約システム

風邪などの時は体もきつく病院に行くのも大変です。また、病院に着いて診察までの待ち時間もつらいと思います。当院の診療順番予約システムを利用して、出来るだけ待ち時間を短縮してください。

当院では診療順番予約システム「チェックオン」を2017年7月から新たに導入しました。今まで通りインターネットからの予約に加えて、固定電話から電話ガイダンスを使って予約することが可能となりました。インターネットをあまり使わないご年配の方も利用していただけるようになり、とても好評です。

またインフルエンザ予防接種もインターネットからお好きな日時を患者様ご自身で予約できます。その他にも患者様にとって便利な機能がありますので、詳しくは当院ホームページ等をご覧ください。
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